研究課題/領域番号 |
20K11443
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
木村 岳裕 金沢大学, GS教育系, 准教授 (50632254)
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研究分担者 |
門田 宏 高知工科大学, 情報学群, 准教授 (00415366)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 経頭蓋磁気刺激 / 運動協調性 / 身体運動制御 |
研究実績の概要 |
申請者が確認している「運動を起因とする神経抑制性作用」は、神経特性や機能的意義について明らかにする必要がある。これまでは筋放電を運動検出の基準としていたが、筋放電は振幅に個人差があることや、筋出力量を計測することが出来ないためストレインゲージを用いた実験環境をセットアップする必要性があった。 2021年度に示指と上腕筋の筋出力をそれぞれ計測できるストレインゲージを特注し導入をした。このストレインゲージを使用して、運動強度に関連した神経抑制性作用の神経特性を調査するための予備実験を行った。機器特性を確認するために筋放電の開始とストレインゲージで記録される電圧変化までの時間的な遅延について確認を行い、様々な運動強度における筋放電波形とストレインゲージからの電圧変化の関係性を確認して、新たな機器を導入した実験環境における適切な時間設定を決めた。 次に、ストレインゲージを使用した神経抑制性作用の再現性を確認し、筋放電とストレインゲージで時間の基準とするデータが異なる場合であっても抑制性作用を確認した。申請者の研究領域では、実験環境を変更した際に結果の再現が出来なくなることが散見されるものの、本研究計画においては支障が無かった。 予備的ではあるが、上腕筋の運動強度と示指筋への抑制性作用の関係性について調査を行い、運動強度と抑制性作用については負の相関を示す可能性があり、神経特性の調査の一つとして運動強度特異性の有無についても今後の調査で確認をする計画が立てられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時に計画していた県外の共同研究先における実験が現在滞ってしまっており、自身の研究室における実験のみを進めている状況である。独立基盤形成支援での研究経費を利用した実験環境の整備を中心に進めると共に、修正した研究計画の実験のデータ収集を状況に応じて進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は所属研究機関においてデータ収集を進める方針を取る。本研究課題である「運動を起因とする神経抑制性作用」の調査においてはMRI装置を用いた脳活動動態計測や二連発TMS装置による神経生理学的な実験系でのデータ収集は2023年度に再計画する。 購入した特注のストレインゲージを使用した上腕筋の運動強度が手内筋への抑制性作用に及ぼす変調に加えて脳への磁気刺激強度と誘発される運動誘発電位の入出力カーブの関係性の調査を中心とした神経抑制性作用の神経特性の調査を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、基盤研究(C)における独立基盤形成支援(試行)の所属機関からの研究基盤整備(Ⅱ)を研究経費に充てることができ、基盤研究(C)の直接経費及び独立基盤形成支援(試行)の基盤研究整備(Ⅰ)における支出が抑えられたためである。 2022年度には磁気刺激装置の刺激強度を自動調整できる機器を導入して、研究計画を推進させる。
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