研究課題/領域番号 |
20K11445
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
井上 恒 香川大学, 創造工学部, 講師 (90624205)
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研究分担者 |
松岡 諒 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (40780391)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 関節面接触力 / 筋骨格モデル / 歩行動作 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本年度は膝関節の関節面接触力に関連する動作因子の検討を行った。まず、公開されている歩行データベースの解析を行った。データベースでは歩行動作が提供されているため、そのデータに筋骨格モデルを適用し筋張力及び関節面接触力を算出した。関節面接触力と関連する歩行パラメータを検討した結果、立脚初期の膝関節角度と膝関節面接触力との間に有意な相関関係が示された。膝関節の屈曲角度が小さいほど関節面接触力は低下した。しかし、サンプル数は少ないものの、屈曲角度がある程度以上小さくなると、関節面接触力は急増した。 次に、歩行データベースの全身動作データ(マーカー座標)と関節面接触力との関係を畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に学習させた。全身動作データを入力、関節面接触力を出力とした。学習によって得られたCNNモデルが着目している身体部位についてGrad-CAMによって検討した。その結果、特に下半身に貼付したマーカーの進行方向成分に注目していることが示された。このことは、関節面接触力の増減に対して膝関節角度を重要パラメータとすることが、機械学習の面からも妥当であると示唆するものである。 しかし、前述までのデータベースによる分析では被験者間での傾向が示されているが、それを個人内の動作方略として実施することの有効性は不明なままであった。そこで個人内で立脚期における膝関節角度(最大屈曲角度)を変化させたときに関節面接触力を検討した。歩行動作をモーションキャプチャシステムと床反力計で計測し、関節面接触力は上述と同様の方法で算出した。その結果、通常の歩行よりも立脚期に膝関節を伸展させて歩行すると関節面接触力は減少し、屈曲させると関節面接触力は増大した。これにより、立脚期における膝関節角度の調整が関節面接触力を変化させる有効な因子(動作方略)であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの影響で実験が遅れたため、筋骨格モデルによる関節面接触力算出を筋電図データを用いて補正する内容については遅れが生じている。しかし、公開データベースを用いることで、2年目の後半以降に予定していた関節面接触力と関連する動作要因の検討が行えた。若干の遅れと予定以上の進捗があり、全体としては概ね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
筋骨格モデルによる関節面接触力算出について、筋電図データを用いて補正する方法の検討を進める。その後、機械学習による関節面接触力の推定を行うとともに、今年度に予定を前倒して行った関節面接触力と動作要因との関連の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定だった学会の多くはオンライン開催となり、旅費が不要になった。一方で、新型コロナウィルスの影響で遅れが生じた実験に対して、器材の充実を図ることで、期間内の研究内容を完了させる予定である。
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