研究課題/領域番号 |
20K11446
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
山津 幸司 佐賀大学, 教育学部, 教授 (90299579)
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研究分担者 |
井上 伸一 佐賀大学, 教育学部, 教授 (80260727)
岸本 裕歩 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (00596827)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 行動科学 / 身体活動 / 座位行動 / フレイル / 非対面介入 / 遠隔教育 / 介護予防 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
近年、我が国では高齢化に伴い要介護状態となる高齢者の増加が深刻な社会的課題となっている。フレイルは要介護状態の前段階と位置づけられているが、適切な時期に適切に種々の介入を提供することで健常状態に戻すことが可能とされている。本研究では、研究代表者が今まで個々に注目してきた「情報通信技術の活用」と「行動変容アプローチ」を融合し、フレイル・介護予防との関連性の解明を試みた。 具体的には、地域在住高齢者の身体活動・座位行動とフレイル・介護予防との関連性を解明するための縦断研究(研究1)、情報通信技術を活用したフレイル・介護予防のための身体活動行動変容の無作為割付介入試験(研究2)を実施し、フレイル・介護予防に有効な介入法を確立した。 研究1では、縦断的な観察研究を複数進め、そのデータ解析の中から、スポーツ活動を含めた社会的活動がプレ・フレイルの予防に役立つ可能性が示された。また、歩行習慣とフレイルの関連性を明らかにすることができた。今回構築したデータセットからはさらにフレイル・介護予防との関連要因や予防因子が探索可能であり、本邦のフレイル・介護予防に資する知見の蓄積に貢献していきたい。 研究2では、ウェアラブル端末(FitBit)とスマートフォンを活用した非対面介入法を開発することができた。 これまでの研究成果を通じて、情報技術を活用した非対面運動介入は対面運動指導の減量・健康改善効果を高める可能性が示された。対面運動介入の健康改善効果は認められるものの提供側だけでなく参加側にも負担やコストが生じることが知られているため、今後より負担の少ない非対面介入を効率的に組み合わせる方法を検討していく必要がある。
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