研究課題/領域番号 |
20K11449
|
研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
樋口 倫子 明海大学, 外国語学部, 教授 (70276179)
|
研究分担者 |
杉浦 雄策 明海大学, 不動産学部, 教授 (50245156)
古川 覚 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (50307675)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 大学生 / 身体活動 / エージェンシー / ダイアローグ / ウェルネス |
研究実績の概要 |
本研究は、「スポーツの日常化」すなわち遊びとしての “自発的に楽しむ運動習慣形成”システム開発として、【研究1】運動習慣のない大学生を対象に日常生活を楽しむ中で、自然に運動習慣化が促進されるユーザーリード型運動習慣形成システムを完成し、【研究2】そのシステムの運用効果(スポーツ活動に対するセルフ・エフィカシー、Well-being指標、運動習慣指標)について分析し、評価する。【研究3】最終的に、大学生に心身のWell-beingを促す教育法を普及させることである。 2022年度、【研究1】と【研究2】が実施された。対話的な活動は、ユーザーリード型の取り組みにおいて「当事者知」を引き出す可能性があり、昨年度は、スポーツを日常化するためのユーザーを中心とした対話的な活動(スポーツダイアローグ)が、身体活動に関する意識や行動に及ぼす影響を検討した。研究協力者を募り、運動習慣形成に関するテーマでリフレクティング・トーク(会話を観察し、その会話についての会話をする)を活用した60分×3回のスポーツダイアローグを実施した。仲間の意見も興味深く聞き理解を深め合い、最後に気づきを、メンバー全員で共有した。 2023年度も、引き続きスポーツダイアローグを介して,大学生の身体活動に身体活動に対する認識と行動の変容について、評価・分析を行った。量的指標における有意な差は認められなかったものの,スポーツダイアローグを通じて楽しさに基づくモチベーション維持,身体活動の継続性の必要性,日常生活への身体活動の統合,視野の拡大,自己調整の小目標設定,グループダイナミックスの認識など,内発的動機づけに関連する多くの気づきが得られた。本システムは、生涯を通じたスポーツの日常化にむけて,大学生らが,多元的な視点を獲得しつつも,内的な会話が促進され,身体活動を行動に移す上での,自己への気づきを深化させていく可能性がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、順調に介入研究が実施できたが、全体としての進行の遅れがある。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、スポーツダイアローグに、現象学的フォトヴォイスによるアプローチおよび具体的な身体活動の共有を組み合わせ、長期的な観察を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の介入研究自粛のため、使用額に差異が生じた。【研究1&2】の介入プログラムの参加者への謝礼,調査研究の旅費や成果発表のための予算が、翌年度の予算として用いられる。
|