研究課題/領域番号 |
20K11450
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鈴木 宏哉 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (60412376)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Physical literacy / フィジカルリテラシー / 体力 |
研究実績の概要 |
Physical literacyは、未だにコンセンサスの得られていない概念であり、Physical literacyと健康とを結びつける直接的な証拠はまだほとんどないが、身体教育の目標であり、身体活動の促進を通じて健康に影響を与えると考えられている。したがって、Physical literacyの概念とその適切な評価方法を作成することが重要である。そうすることで、どのような介入や身体教育がPhysical literacyを向上させるのかを検証することができようになる。Physical literacyの定義に関する世界的なコンセンサスはないが、行動習慣や身体的能力などのいくつかの重要な要素が一般的に注目されている。しかしながら、国によって体育・スポーツ文化や発展のレベルには違いがあり、Physical literacyの概念や評価の仕方に関する議論のレベルも異なる。特に、日本においては、Physical literacyの議論はPhysical literacyの日本語訳すら定まっていない初期段階にあるといえる。以上のことから、本年度は、世界中のPhysical literacyの定義と評価に関する研究を概観し、国際的に広く用いられているPhysical literacyの定義と子どもを対象に含む評価尺度の特徴をまとめた。 また、本研究のもうひとつの目的である、国内の体力統計を用いた体力実態の再検証については、これまでの当該データを用いた英語論文をレビューし、その課題を明確にすることとや、全国の小学校教員に対してヒアリングを行い、教育現場での課題を調査した。同時に、既存の体力統計である体力・運動能力調査の二次利用の手続きを進め、次年度以降の研究の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度、既に研究成果は2つの英語論文と1つの和文記事としてまとめ、昨年度とあわせると6つの学術記事を公表しており、次年度以降に新たな分析を進める見通しも立っているため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目標は、現行の体力テストあるいは体力調査の課題を把握し、その課題を解決する方法論を提案することである。既に課題の把握は文献レビューと教員へのヒヤリングによってできたので、今後は既存の体力統計データを用いた定量的な検証と、課題解決の方策であるphysical literacyの概念を含むテストの開発を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の拡大により、学会参加にかかる経費が減少したため、次年度繰越金が生じた。次年度は、論文校正費と掲載費のほか、調査実施に係る費用や研究推進のための短期雇用に係る費用を計上しており、次年度繰越金は学会発表の経費に充てる。
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