研究実績の概要 |
本研究は1)Physical literacyという概念整理と尺度開発に関わる研究と、2)国内の体力統計を用いた体力実態の再検証を目的としている。 1)については、Physical literacyが体力を含む概念であり、体力テストの見直しを見据え、小学校教員の新体力テストの活用実態及び意識調査を行い、現行の体力テストの課題を明らかにした(遠山ほか、投稿中)。これに関連して、保護者に対する調査を計画中である(倫理承認済み)。そして、尺度開発の対象を検討する一助とするために幼児を対象とした体力テストの現状をレビューした(Ke et al., 2022)。さらに、体力テスト結果とテストパフォーマンスの観察評価との関連性を検討した(黒川ほか、2022)。また、日本スポーツ協会が翻訳した成人用Physical literacy尺度を用いた調査を実施し、日本人のPhysical literacyの特徴について検討し、教育関係者、過去の運動・スポーツ経験のある者、体育・スポーツ系学部の卒業生において高く、幼児や小学1・2年生の保護者のうち、Physical literacyの高い保護者は子どもと一緒に遊ぶ機会が多いことが分かった。 2)については、2013年から2021年までの公表されている体力統計を用いて、子どもの体力変化について検討し、全身持久力と筋持久力の低下が顕著であることを明らかにした(Kidokoro et al., 2023)。国が公表している体力データの素データの利用申請については、承認され、現在分析を行っているところである。
|