研究実績の概要 |
本研究では第1に、スポーツ庁が実施している体力テストデータの二次利用を促すこと、そしてデータの二次利用により子どもにおける体力の実態を把握することに取り組んだ。利用促進のために国の体力調査の現状や体力テストに関するレビューを行った(Kidokoro et al., 2022)。また、現行の体力テストにまつわる課題を検討するために、幼児を対象とした体力テストのレビュー(Ke et al., 2022)と小学校教育における体力テストの活用実態を明らかにした(遠山ほか、2023)。また、COVID-19の感染拡大期間を挟む過去数年間の体力トレンドを明らかにした(Kidokoro et al., 2023)。第2に、体力に変わる新しいコンセプとして、Physical Literacyの評価尺度について、諸外国の動向をレビューし(Ke et al., 2022)、日本版Physical Literacy評価尺度の試案を作成した。Physical Literacy評価尺度の開発にあたっては、生涯を通したPhysical Literacyの変化を観察できるように子どもから成人まで網羅する評価尺度が求められる。そのため、成人用評価尺度の作成と子供用評価尺度の作成を試みた。成人用評価尺度については国内初の尺度を作成し、その尺度特性を報告した(松永ほか、2023)。子供用評価尺度についても試案を作成し、予備調査を行い定量的な検証作業を行い、近くその成果を報告する予定である。
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