研究課題/領域番号 |
20K11451
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研究機関 | 文化学園大学 |
研究代表者 |
安永 明智 文化学園大学, 国際文化学部, 教授 (30289649)
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研究分担者 |
岡 浩一朗 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00318817)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 座位行動 / 高齢者 / 介護予防 |
研究実績の概要 |
2020年度は、高齢者に対する座位行動減少プログラムの開発に向けて、座位行動の健康影響や座位行動時間の長短に影響する要因に関する国内外の研究の知見を整理した。具体的には、国内外の座位行動研究から得られた知見を、①高齢者の座位行動の実態、②高齢者の座位行動と健康指標との関連、③高齢者の座りすぎ対策、④座位行動研究の課題と健康支援の現場へ提言の視点からまとめ、総説「高齢者の座位行動研究の動向と展望:座りすぎの実態とその健康リスク」として発表した。知見を整理した結果から、①加齢とともに座位行動時間は長くなること、②長時間の座位行動は高齢者の心身の健康や認知機能に対して悪影響を与えること、③自宅近隣の建造環境は、自宅外での移動に伴う座位行動だけではなく、テレビ視聴等を含む自宅内での座位行動とも関連していること、④「Sit less, Move more, More often.」という視点で、高齢者の健康を支援していくことが重要になること、等が明らかとなった。 また「Isotemporal Substitution model(ISM)」や「Compositional data analysis(CoDA)」といった比較的新しい分析手法を使用して、1日の活動の時間構成や座位行動の身体活動への置き換えと健康指標の関連を検討した研究に関する国内外の研究成果を整理し、レビューを行った(現在、総説論文として投稿準備中)。レビューの結果から、一定時間(1日10-60分程度)の座位行動の等量の身体活動への置き換えは、心身の健康や認知機能の改善につながることが示唆された。さらに高齢者においては、活動強度が低い活動への置き換えでも、健康への恩恵が得られる可能性があることも明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究に関する国内外の研究成果の整理および介入プログラムの開発については、概ね順調に進展している。 一方、本研究は高齢者を対象に、座位行動の減少に向けた介入を実施する予定であるが、COVID-19の感染拡大により、具体的な介入の実施計画(介入開始時期等)を決めることができない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、本研究への参加者を募集し、介入研究を始める予定である。しかし、昨今のCOVID-19の感染状況、そして本研究の対象者が高齢者であることを鑑みると、研究参加者の安全が確保できる見通しが立たないため、介入研究の開始時期を遅らせることを検討する必要がある。 COVID-19の感染が終息し、研究参加者の安全が確保できしだい、介入研究を実施できるように準備をする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、COVID-19の感染拡大の影響で、具体的な介入計画の立案およびその準備が予定通り進まなかった。それに係る経費を2021年度に使用する予定である。
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