研究課題/領域番号 |
20K11452
|
研究機関 | 東海学園大学 |
研究代表者 |
畑 孝幸 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 教授 (00156332)
|
研究分担者 |
高橋 浩二 長崎大学, 教育学部, 准教授 (20568224)
久保田 もか 長崎大学, 教育学部, 准教授 (80744721)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 高等教育 / 身体的リテラシー / 身体の教養 / 身体の経験 / 身体教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、大学生の「心と体」の問題が人間的な存在への問いと不可分であるという認識に立ち、高等教育において成人の教養の涵養を目指す身体教育の意義と可能性を、令和2年度から3年の期間を設けて探ろうとするものである。その目的は、高等教育で求められる「身体的リテラシー」「身体の経験」「身体的教養」について考察し、高等教育で目指す人間形成は如何にあるべきかということを示すことにある。 本研究の当初に立てた計画は、①大学生の「心と体」の問題が人間的な存在への問いと不可分であるという認識のもと「社会の変化と呼応する『身体』及び『身体性』とは何か」という考察をする、②大学生が身につけるべき身体に関するリテラシーを如何にして大学教育の中に位置づけるかを、高等学校までの教育と大学教育を対比させながら考察する、そして、③「大学生の体力と身体的リテラシーに関する調査」の枠組みを完成させ、当該調査を実施し、その結果と文献研究の結果から「高等教育で必要な『身体的リテラシー』」について考察するというものであった。しかし昨年度は、前年からの新型コロナウイルスの感染拡大が治まらないため、一昨年と同様に上記①及び②について、文献の収集と先行研究の検討をするにとどまった。その結果、スポーツ実践による大学生の身体の経験を身体的リテラシーという観点から明らかにすることが大学における教養教育としての身体教育の意義と価値を問うためには重要であることが明らかになった。これを基に本年度は、上記③の「大学生の体力と身体的リテラシーに関する調査」を作成し実施する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて実施には至っていない。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症蔓延のため、所属機関及び受入機関における出張の制限により、本研究の打合せのための出張が大幅に制限されたこと、また学会大会で研究成を発表する機会が減ったことなどから、前年度同様に計画通りに研究が進まなかった。そのため今年度の研究は文献による先行研究の検討を中心に進められた。
|
今後の研究の推進方策 |
文献の収集と先行研究の検討を中心に「身体的リテラシー」の考察を深める。「身体の経験」の考察につなげられるよう、研究分担者と協力しながら、より一層研究を加速させる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
昨年度からの新型コロナウイルス感染症の蔓延により、国内外への成果発表や打ち合わせのための出張ができず、それらに要する経費の支出がなかったため、次年度に繰り越す金額が生じた。この繰越金は、来年度からの研究のために交付予定の助成金と合わせて、本研究に関連する図書の購入等に当てるが、新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かい、国内外の移動が自由にできるようになれば、アメリカ合衆国で8月に開催される国際スポーツ哲学会における研究成果発表などに要する経費や、その準備のための研究打合せ旅費としても使用する予定である。
|