本研究の目的は、女子高校生・大学生の子宮頸がんや子宮頸がん検診に関する知識を増やし、関心を高め、その後の予防行動・受診行動に繋ぐことができる子宮頸がん予防教育DVD教材を開発し、予防教育教材の普及に向けて、高等学校とのネットワークを構築することである。 2022年度は、子宮がん検診の無料クーポン券および偶数年齢の者に届く受診はがきを受け取る対象者であることから、調査協力を得た大学3・4年生199名を対象に、子宮頸がん検診受診の有無について、調査を実施した。 2021年度にDVD教材を視聴した55名(Ⅰ群)と視聴していない144名(Ⅱ群)を対象に、教育教材が効果的なものであるかを調査することを目的とした。調査の結果、Ⅰ群とⅡ群の受診率はほぼ同じであった。2021年度に実施した調査では、教育教材視聴前と比較すると、視聴後は検診を受診したくないと回答した者は減少し、教育教材には一定の効果があったと考えられたが、2022年度の調査から、受診に抵抗があることを理由に受診したくないと回答した者が多く、受診行動に繋げるためには教育教材に更なる工夫が必要であることがわかった。また、無料クーポン券および受診はがきを受け取る対象者であることを理解している者は17%と低いことがわかった。対象者であることの理解を広めることも受診行動に繋ぐための課題である。 徳島県高等学校教育研究会 養護学会をとおして、徳島県内の公立の高等学校と特別支援学校とのネットワークを構築することができた。各校の養護教諭に、2021年度に予防教育DVD教材、2022年度は作成したリーフレットを送付した。養護教諭を対象とした質問紙による調査では、子宮頸がんについて話をする機会や時間がないことがわかった。また、高校生がアクセスしやすい媒体の使用の提案があった。これらの意見を反映する教材を工夫作成し、ネットワークの強化を図りたい。
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