近年、野外教育プログラムに関する研究は、プログラムが展開される「場」自体の意味や機能・構造に注目が集まっている。例えば、公園・里山・人工林・ウィルダネス等は、一般に「自然のある環境」と認識されるが、それぞれ似て非なる「場」の価値を持っている。本研究の目的は、児童期から青年期を対象にウィルダネス環境下で野外教育プログラムを実践し、特に「ウィルダネス」という場が、体験者の自我や自己にどのように影響を与えているかを検討することであった。 本研究の成果は、「自然の深さ」あるいは「他者や自然との関係性」が、体験者の自我の再構築に一定の影響を与える要因であることが確認された。
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