研究課題/領域番号 |
20K11461
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
吉田 伊津美 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (30335955)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 運動遊び / 多様な動き / 幼保小連携 / 養成課程 / 体育 |
研究実績の概要 |
令和3(2021)年度は、小学校教諭の基本的な動き・遊びに対する認識(目的1-2)を明らかにすることを目的に質問紙を作成し、郵送により9つの小学校93名より回答を得た。また、前年度実施できなかった幼稚園教諭を対象とする同様の質問紙調査を実施し(目的1-1)、公私立幼稚園37園380名より回答を得た。 保育者の運動遊びに対する認識を明らかにするために、前年度実施の保育士(684名)と幼稚園教諭380名を比較したところ、実際の運動遊び指導及び理想とする運動遊び指導のいずれにおいても「幼児主体」因子には両者に違いはなかったが、「保育者主導」因子は幼稚園教諭に比べ保育士が高かった。「保育者主導」因子は、保育者が中心となり指示的で子供が上手にできることを重視する項目を中心に構成されている。子供が主体的に活動することを支えることにおいては幼保とも同様の認識をしているものの、実際の運動遊び指導においては保育所保育士の方が、指導性が高いことが示された。また、経験年数による認識の違いは、幼保に相違はなく同様の傾向で、実際の指導は経験年数の高い保育者の方が浅い保育者よりも「幼児主体」であり、理想とする指導は経験年数の浅い保育者の方がより「幼児主体」と考えており、若手の保育者は実際の指導に葛藤を抱えている可能性が示唆された。 一方、小学校教諭を対象とする調査は予定の一部しか実施できておらず、協力の承諾が得られている自治体は次年度に先延ばしとなっており、これらの回収後に分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の調査対象は小学校教諭であったが、その一部しか実施できなかったため。 協力の承諾は得られているが、実施に当たってはCOVID-19の影響で先延ばしとなっている。これらは次年度に実施を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度未実施であった複数の小学校からは協力の承諾は得られており、質問紙を回収次第、小学校教諭の分析を行う。また、これらのデータが回収できれば、次年度に計画している今後の分析(目的3)についても予定通り実施が見込める。 この他、当初より計画の養成校を対象とする調査(目的2)は予定通りの実施を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙の実施が遅滞しデータ入力時期が次年度にずれ込み、その分の使用がなかったため。データ入力は次年度のデータ入力に要する経費として計上する。 またCOVID-19感染防止のため参加予定の学会等がオンライン開催となり、旅費の使用が制限された。次年度の旅費として計上する。
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