研究課題/領域番号 |
20K11465
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
出口 達也 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (60227543)
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研究分担者 |
柳岡 拓磨 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (20846951)
黒坂 志穂 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80580901)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 柔道 / 体力 |
研究実績の概要 |
本研究では、柔道のパフォーマンス向上を目的とした体力要素として、回転ボックスジャンプトレーニングが、大学柔道選手の内股動作時間に及ぼす影響を明らかにすることを目的に研究を行った。 被験者は、大学柔道部員18名を回転ボックスジャンプ群(RBJ群)6名、ボックスジャンプ群(BJ群)、コントロール群(CON群)6名に区分した。畳上にプライオボックスを設置し、RBJ群、BJ群は、それぞれ10回×3セットのトレーニングを週3回、4週間継続して実施した。トレーニング前後に、内股動作をハイスピードカメラで撮影し、フォースプレートにより鉛直方向の床反力を測定した。そのほか、リバウンドジャンプの足底、及びトレーニングに関する内相報告を得た。 「崩し」の局面から「作り」局面までの局面間の動作時間の変化においては、各群とトレーニング前後をそれぞれ因子として、二元配置分散分析を行った。しかし、有意差は認められず、中程度の効果量を得た。 トレーニング前後におけるリバウンドジャンプのRJindexの変化については、各群とトレーニング前後をそれぞれ因子として二元配置分散分析を行った結果、有意差は認められなかった。しかし、RBJ群のPostはPreに比較して増加傾向を示した。 本研究では、4週間という期間であったが、RBJトレーニングはより長期に継続していくことで、ジャンプ力が改善する可能性があり、結果として下肢の筋腱が強化される可能性があると示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルスにより、多くの被験者を必要とする、柔道を評価するための体力要素を調査する実験が実施できなかったため、当初の計画から後れを取っている。
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今後の研究の推進方策 |
Sterkowicz-Przybycienら2017の先行研究に基づき、柔道選手を4つの階級に分類する。さらに、各階級において全日本柔道連盟強化選手の選抜歴の有・無の2段階に競技成績を分類する。実験1:4階級×2段階の計8カテゴリーの男性15名ずつ(計120名)、実験2:4階級×2段階の計8カテゴリーの女性15名ずつ(計120名)。 身体組成(体重・骨格筋量・体脂肪量)、筋力(等尺性:握力・足趾筋力、動的:ベンチプレス・スクワット・デットリフトの1RM)、筋パワー(カウンタームーブメントジャンプ高)、筋持久力(30秒間の握力・足趾筋力の継続発揮)、無酸素性持久力(上体および下体のWingate test)、有酸素性持久力(最大酸素摂取量、乳酸性作業閾値)、バランス(スター・エクスカージョン・バランス・テスト [SEBT] 、静止立位(両足・片足)の重心動揺)、柔道選手のための持久力テスト(Special Judo Fitness Test:6 mの間隔で立つ受A・Bに対して、取が30秒間,3セット,10秒間隔で投げ続ける試験。投げた回数と心拍数で成績を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスにより、予定していた実験が施行できなかったため、費用を繰り越した。 柔道選手における体力測定を実施予定であるため、測定のための実験器具を購入予定である。筋力測定及び筋硬度測定器具を導入予定である。
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