研究課題/領域番号 |
20K11468
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
岡崎 勘造 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (40586773)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 児童生徒 / actigraph / 睡眠 / 身体活動 / 生活リズム / quality of life / 体力 |
研究実績の概要 |
・本研究の目的は,児童生徒を対象に,客観的に評価された睡眠および運動を主とした生活習慣の現状を明らかとすることである。さらには,生活リズムを整えるための起点となる生活習慣を探り,その生活リズムと元気さ(Quality of life:QOL,ヘモグロビン推定値)との関わりも明らかにすることを目的とした。 ・令和3年度は,対象校と調整し,アクチグラフを用いて客観的に睡眠と運動を評価することを予定していた。計画を進めるために,今年度も継続して対象校と話し合いを行ってきた。小中学生を対象とした調査時期は,コロナ禍のため調整することが難しく,高校生のみアクチグラフを用いた睡眠と運動の調査が実施できた。 ・調査の結果,高校生の睡眠と体力とに関連がみられ,睡眠と運動との関連の有無についても一定の結果が得られた。QOLには,特に座位活動(sedentary behavior)時間,比較的弱い強度(light intensity)の活動時間による影響が垣間見えている。現在,これら横断データの結果を投稿中である。 ・これまで先行研究では,主観評価された,例えば,自記式質問紙による睡眠や運動のデータは多くみられるが,本研究では睡眠と運動を客観評価しており,そこに強みの一つがある。主観評価と客観評価には,それぞれ長所・短所があり,客観評価は,感情に左右されず行動指標を得られるため,精度が高まることが長所の一つである。本研究では,客観評価された睡眠や運動による体力やQOLへの関連の有無,睡眠と運動との関わりを示すことが可能であり,その成果は今後の健康教育に新しい視点をもたらす可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
・当該年度は新型コロナウィルスの影響があり,小中学生を対象とした調査ができなかった。一方,高校生には調査することができた。未だ新型ウィルスの感染者数は増減を繰り返している。当初予定していた2-3月の時期だけでなく,その他の時期に小中学生には調査することも検討し,対象校とは連携する。
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今後の研究の推進方策 |
・研究を遂行する上での課題は,コロナ禍によって計画・準備ができないことである。学校内外の行事等を鑑み調査期間のスケジュールを調整するため,遅くとも1-2か月前から計画・準備を進める必要がある。研究計画では,学校が調整しやすい2-3月を予定していたが,その他の期間に実施することも検討する。さらには,測定機器のアクチグラフを学校現場に常置しておくことも検討する。常置したアクチグラフを測定前に設定する準備が可能か,学校の担当者の方と相談する。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画では,学校現場に赴き,数日間にわたって調査活動することを予定していた。しかしながら,当該年度はコロナの影響があり,学校現場における調査活動まで進めることができなかった。そのため調査を行うための旅費,調査補助の人件費,その発表にかかる旅費,調査データ整理等にかかる人件費などが皆無であった。来年度は研究計画を進め,その成果発表,調査にかかる人件費に充当する。
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