研究課題/領域番号 |
20K11477
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
郡 俊之 甲南女子大学, 医療栄養学部, 教授 (80440999)
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研究分担者 |
岡本 希 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70364057)
川西 正子 近畿大学, 農学部, 准教授 (20221038)
明神 千穂 近畿大学, 農学部, 講師 (90529752)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 食物の硬さ / 体型 / 子供 / 咀嚼力 |
研究実績の概要 |
2020年度に小学4年生であった子供に対して、習慣的な「摂取食物の硬さ」と「体型・咀嚼力・口唇閉鎖力(唇を閉じる筋力)・口呼吸・アレルギー性疾患」の関連を検証するための調査を実施していたが、その子供に対して2022年度(小学6年生)に追跡調査を実施した。その調査項目は、1. 習慣的食事摂取量と食物硬度の測定のための食事歴法質問票の実施、2. 体型(体組成)の測定、3. 咀嚼力判定ガムによる咀嚼力測定、4.アンケート調査(身体活動、睡眠、アレルギー疾患、口呼吸などに関する質問紙調査)であったが、口唇閉鎖力測定器による口唇閉鎖力の測定は、唾液が飛散する可能性が高いため、部分的にしか実施できなかった。 2022年度は、過去の調査データもあわせて、習慣的な「摂取食物の硬さ」と「体型」の関連について縦断的に解析した。対象者を性別に食物の硬さの3分位値で3群に分け、体脂肪率などについて3群間で傾向性の検定を実施した。また、共分散分析より共変量を調整した。人数が少なかった女児は、食物の硬さの中央値で2群にも分け、t検定で群間比較した。なお、体型関連指標は、4年生の測定値で調整した6年生の測定値を用いた。その結果、男児は食べる速さで調整後、食物の硬さと体脂肪率の間に負の線形傾向がみられた。女児は運動頻度調整後、食物の硬さとローレル指数の間に有意ではないが、負の線形傾向があった。女児で食物の硬さで2群に分けた場合、硬い群はローレル指数が有意に低値となり、BMIも同様な関連がみられた。 女児ではローレル指数などと負の関係がみられたことから、全身的に体脂肪を減少させた可能性がある。硬い食物は、男女とも子供の肥満を抑制する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小学校における児童を対象に調査・研究しいるが、新型コロナ感染症流行のために調査時期が半年以上遅延しているため、データ集計と解析がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
小学4年生から小学6年生の追跡調査の結果を縦断的にまとめ、食物の硬さと体型の関連については解析したが、食物の硬さと咀嚼力、口唇閉鎖力、アレルギーの有無などについての関連は、まだ解析途中である。 これらの関連について結果が出れば、2023年度中に論文化に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
小学校における児童を対象に調査・研究しいるが、新型コロナ感染症流行のために調査時期が半年以上遅延しているため、まだデータ集計と解析が一部しか出来ていなかった。 2023年度には、これまでのデータを縦断的に解析することで、学会発表および論文化する予定であるため、旅費および論文作成にまつわる英文校正、論文投稿費用などに使用する予定である。
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