2022年度は、一過性の精神ストレスに伴う動脈スティフネスの増大に対する3分間のベンチステップ運動の中和効果を検討した。健常若年男性15名を対象とした。運動条件と対照条件を設定した。両条件ともに、5分間の暗算課題を行った。その後、運動条件では3分間のベンチステップ運動(主観的運動強度11~13)を、対照条件では同時間の座位安静を行った。動脈スティフネスの指標として、身体各セグメントの脈波伝播速度を測定した。その結果、両条件ともに、暗算課題によって脈波伝播速度は増大した。その増大は、対照条件では30分間持続したが、運動条件では消失した。本結果から、精神ストレス誘発性の動脈スティフネスの増大を中和する上で、わずか3分間のベンチステップ運動の実施が有効であることが明らかとなった。本研究成果は、PLOS ONE誌に掲載された。
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