研究課題/領域番号 |
20K11493
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
門田 宏 高知工科大学, 情報学群, 准教授 (00415366)
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研究分担者 |
関口 浩文 山梨大学, 総合研究部, 教授 (20392201)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 運動学習 / MRI |
研究実績の概要 |
本研究は、ヒトの運動学習能力に関する神経基盤を明らかにすることを目的としている。本年度は、昨年度に引き続き、運動学習前に磁気共鳴画像法(MRI)を用いて安静時の脳活動や脳構造画像を計測し、その後、実験参加者に運動学習課題を行わせた。そして、運動学習前の安静時脳活動や脳構造画像と運動学習課題の学習成績との関係を調べることで、個人の運動学習能力を予測することができるか検討を行った。 運動学習課題として2つのボールを右手で内回しで投げるツーインワンハンドというものを用いたので、まずアンケートを実施し、今までにジャグリングを行ったことが無い右利きの人をスクリーニングした。そして、右利きかつジャグリング未経験である51名に、運動前の脳画像の撮像および運動学習課題の実験に参加してもらった。脳画像の撮像では、MRIを用いて約10分間の安静時の脳活動および脳構造の撮像を行った。その後、実験参加者には別室に移動してもらい、ジャグリング課題を行ってもらった。そして、運動学習前の安静時脳活動および脳構造とジャグリングの成績(総キャッチ数)との相関を調べた。その結果、脳構造画像については、ジャグリングの成績と灰白質容積に有意な相関は認められなかった。安静時脳活動については、左運動野・運動前野の活動とジャグリングの成績に正の相関がみられた。これらのことから脳構造については、運動学習能力の予測が難しいものの、安静時の脳活動については、運動野の活動が個人の運動学習能力を予測する指標となることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに事前アンケートについては約150名が集まり、ジャグリングを用いた運動学習実験には50名を超える実験参加者が集まっているが、新型コロナウィルスによる影響もあり、若干実験参加者の募集が予定より進んでいないので、進捗状況としてはやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに50名を超える実験データが集まっているが、今後もさらなる実験参加者を集めていく。また、これまで取得したデータを元に脳機能画像および脳構造画像の両面から複合的に運動学習能力について検討を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験参加者の集まりが予定よりも少なかったので次年度使用額が生じた。次年度に改めて募集をかけて実験を行い、その時に必要となる謝金等の実験費用として使用する予定である。
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