研究課題/領域番号 |
20K11506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新井 秀明 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (60313160)
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研究分担者 |
柳原 大 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90252725)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 血液脳関門 / 加齢 / 老化 / 身体活動 / 骨格筋 / マイオカイン / 炎症 |
研究成果の概要 |
身体運動は加齢に伴う様々な脳の疾患を予防することが知られている。脳の血管では血管内皮細胞同士が強く結合して血液脳関門(BBB)を形成する。加齢や脳の疾患に伴ってこのBBBのバリア機能が低下することが知られており、身体運動が脳の疾患を予防に効果があるメカニズムのひとつはBBBのバリア機能の維持である可能性がある。骨格筋からはホルモン様の作用を持つマイオカインと総称される物質が分泌され、その内のひとつの受容体はBBBに発現している。本研究ではマウスを用いてこの受容体を活性化したところ、BBBの機能を阻害する分子が減少することが明らかとなった。現在この分子のターゲット分子の挙動を検討中である。
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自由記述の分野 |
健康科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢社会を迎えた日本において高齢期の健康を維持することは喫緊の課題である。認知症などの脳の疾患は、高齢期のQOLを著しく低下させ、介護医療費を押し上げるため社会経済的にも極めて大きな問題である。生活習慣を改善することで加齢にともなう脳機能の低下を予防できれば、社会に与える影響が大きく、また、関連する産業は潜在的に非常に大きな価値を生み出すといえる。 本研究で得られた知見は、身体活動を増やすことで得られる脳機能の保護作用の分子メカニズムのひとつが明らかになる端緒となる知見であるといえる。この研究の進展により、身体活動による脳機能の維持をより効果的に行うための生活習慣を開発することが期待できる。
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