研究実績の概要 |
当初予定していた啓発講義および採血はコロナ禍にて実施できなかったため、これまでに講義に参加し採血を実施した543名 平均年についての後方視的検討を実施した。AMH2.0 ng/mL未満の低値群、 もしくは 8.0 ng/mL以上の高値症例を抽出し、それぞれの血清卵胞刺激ホルモン(FSH), 黄体形成ホルモン(LH), エストラジオール, プロラクチン, テストステロン値を測定した。543名の血清AMH は4.76±3.01 ng/mL であり、99名(18.2%)に月経周期異常を認めた。AMH低値群( 2.0 ng/mL未満)69名およびAMH高値群( 8.0 ng/mL以上)66名では、月経周期異常は18名(26.0%)と 33名(50.0%)と増加していた。血清 AMH と FSH, LH, および LH/FSH 比は月経周期異常との相関を認めた(FSH r=-0.493, p<0.01;LH r=0.494, p<0.01;LH/FSH r=0.610, p<0.01)。AMH高値群に着目し、LH7IU/ L以上、およびLH /FSH比を1以上とした場合の、予測AMHカットオフ値は6.45 ng / mL(感度76.5%、特異性72.7%)と見積もられた。血清AMHは毎年の健康診断でも測定できるため、未受診の若年PCOS患者の早期介入を可能にするツールとなり得る可能性が示唆された。
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