研究課題/領域番号 |
20K11517
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
久保田 晃生 東海大学, 体育学部, 教授 (40547973)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 減災 / 身体活動 / 体力 |
研究実績の概要 |
高齢者が身体活動を増やすことは、自立して長生きするうえで意義がある。しかし、従来の健康づくりや介護予防として、身体活動の促進を図る場合、アプローチできない高齢者がいる。そこで、本研究では、減災体力の向上のために、身体活動の促進を図るといった、ゲートウェイ(入口)を変更した集団戦略(ポピュレーションアプローチ)を試み、その有効性を検証することを目的とした。 この目的を達成するため、1年目(2020年度)は高齢者を対象とした健康づくり・介護予防のためのイベント参加者と、減災のために体力の向上を図るイベント参加者の身体活動状況や身体活動の実践意欲に違いがあるか検証した。両イベントは、秦野市の協力を得て、2021年3月に実施した。イベントの参加者の募集方法が異なることを防ぐため、2つのイベントを併記したチラシを作成した。当初、減災のための体力の向上を図るイベントの方が真新しさから参加希望者が増えると仮説を立てていたが、実際は健康づくり・介護予防のイベントの方が、参加希望者が多かった。健康づくり・介護予防の参加希望者からは、減災体力という言葉自体のなじみが低く、内容がわかりにくいなどの意見が聴取された。現在、身体活動の状況や参加動機の詳細について解析中である。 加えて1年目(2020年度)は、2年目(2020年度)の集団戦略の介入地区の調整を進めた。結果、静岡県内の町で介入の内諾を得ることができた。1年目(2020年度)の研究成果から集団戦略の介入内容を改めて検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症拡大により、本研究のような集団を対象としたイベント開催が困難となり、予定していたスケジュールや予定していた対象者数の確保が困難となってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、1年目(2020年度)に実施した2つのイベントの参加者間で、身体活動の状況や参加動機の詳細について、違いがあるか比較している。この結果をまとめて、日本生涯スポーツ学会大会等での報告を検討している。また、2年目(2021年度)は減災体力の向上のための集団戦略を地区介入で進める予定である。そのため、介入予定の地区との打ち合わせを進めていく。 なお、新型コロナウィルス感染症は未だ予断を許さない状況である。そのため、対面を伴うイベント活動の開催は、困難になる可能性もある。そこで、従来予定していた地区の回覧板を活用した情報提供型の介入内容を強化し、対面が困難であっても地区介入が進められるように検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大によって、予定していた学会大会の出張が無くなった。また、集団を対象としたイベントの開催の実施の有無が、ギリギリまで判断がつかなかったこともあり、費用を生じるよう形での開催を避けた(個人研究費で必要部分が生じた場合、充当するように判断した)。 既に、集団地区への介入の内諾は許可が得られているため、2年目(2021年度)の助成金は介入強化用の費用として使用を予定している。
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