研究課題/領域番号 |
20K11517
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
久保田 晃生 東海大学, 体育学部, 教授 (40547973)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 減災 / 防災 / 身体活動 |
研究実績の概要 |
本研究は、高齢者を対象に、ゲートウェイを減災体力の向上とした身体活動促進の集団戦略が有効であるかいなかを、介入研究により検証することであった。3年計画の2年目では、介入効果を検証するための事前調査と、集団戦略を開始した。集団戦略は、協力の得られた静岡県小山町内で実施した。小山町内の須走地区を介入地区、それ以外の地区を対照地区に設定した。そして、集団戦略の有効性を検証するための事前調査を実施した。 事前調査の調査対象は、介入地区、対照地区ともに、要介護認定を受けていない65歳以上85歳未満とした。また、介入地区は該当する全数の603人、対照地区は介入地区と男性割合、前期高齢者割合を揃えた上で住民基本台帳より無作為抽出した603人に対して、2021年9月に郵送法により事前調査を実施した。調査内容は、基本属性、身体活動量、運動行動変容ステージおよび防災・減災の意識に関する項目である。事前調査で返信があり、結果の利用の同意が得られたのは、介入地区322人(53.4%)、対照地区358人(59.4%)であった。事前調査の結果、全体的には有意な差が認められる項目は少なかったが、介入地区の方が一人暮らしの割合が有意に高いなど、一部の回答に違いが認められた。 介入地区への集団戦略は、2021年10月から実施した。主な内容は、①減災体力向上に関する内容を組み込んだチラシの全戸配布、②減災体力向上教室の実施、③地域防災訓練での普及活動である。それぞれ、2022年3月までに①は6回、②は2回、③は1回実施した。2022年8月まで集団戦略を繰り返し実施し、2022年9月に事後調査を実施する予定である。事前、事後調査の結果から、集団戦略の有効性を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題の進捗状況として、研究スケジュールからは約3か月程度、集団戦略の開始が遅くなっている。当初協力を予定していた自治体が、新型コロナウィルス感染症拡大により、協力が不可になり、別の協力の得られた自治体において実施したことから、手続き等が遅れたためである。また、新型コロナウィルス感染症拡大による「まん延防止等重点措置」の影響もあり、予定していた教室開催が実施できないといった、当初予期できないことも起こっていることから、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策であるが、2021年10月から実施している集団戦略を2022年8月まで繰り返し実施する。当初の予定よりは、強い介入が困難な状況であるが、チラシの全戸配付は予定どおり継続できている。また、2022年9月に事後調査を実施する予定で、現在準備を進めている。事後調査は、事前調査と同じ人に調査の協力を依頼する。事前・事後調査の結果をから集団戦略の有効性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、1年目の2020年度に対面で行う部分の研究が小規模で行うことになった。また、2年目の2021年度に対面で行う集団戦略の開催が一時困難となり使用額が減り、次年度使用額が生じた。また、学会参加に関して、オンライン開催が多く旅費の使用額が減ったことも、次年度使用額が生じた理由である。2022年度の使用計画としては、集団戦略が2022年8月まで進み、事後調査も実施する予定であり、その際に使用する。加えて、比較的大きな事後調査であることから、準備のための補助や調査実施後の入力作業等の補助を、2021年度と同様に依頼して実施する計画である。
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