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2023 年度 実施状況報告書

生活習慣病から心筋を守るマグネシウムの動態を制御する分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K11518
研究機関東京医科大学

研究代表者

田代 倫子  東京医科大学, 医学部, 准教授 (20398762)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードマグネシウム輸送体 / 選択的セロトニン再取り込み阻害剤 / ナトリウム共輸送体
研究実績の概要

本研究によって活性酸素の過多による心筋細胞内マグネシウム(Mg)濃度の低下が示唆されたので、今年度はMg汲み出し輸送の制御について検討した。細胞外液のマグネシウム(Mg)イオンは膜電位勾配により細胞内へ常に流入しているので、細胞内Mg恒常性を保つために能動的な汲み出し輸送が必要である。心筋細胞におけるMgの汲み出しは細胞内外のナトリウム(Na)濃度勾配を利用したNa-Mg交換輸送が重要な役割を果たしているが、輸送体分子はまだ同定されていない。
既存のNa共輸送体阻害剤を使って、Na-Mg交換輸送活性への影響を検討したところ、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)がMg汲み出し輸送を抑制することを見出した。Mg濃度を高くした心筋細胞におけるNa-Mg交換輸送活性は、SSRIの1つであるセルトラリンによって濃度依存性に抑制された。濃度依存曲線により50%効果濃度を算出すると、セルトラリンの抑制効果はこれまで報告されている阻害剤の中では最も強力だった。この結果は、細胞からのMg汲み出し輸送体分子の探索など細胞内Mg低下を防ぐための研究に応用できる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細胞内マグネシウム動態を制御する薬剤として、SSRIが汲み出し輸送を阻害することを新たに見出した。

今後の研究の推進方策

研究成果を雑誌論文にまとめて報告する。

次年度使用額が生じた理由

研究成果の論文を執筆中であり、論文投稿に必要な経費を次年度使用額とした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ラット心室筋細胞からのMg2+汲み出しに対するセルトラリンの効果2024

    • 著者名/発表者名
      田代倫子、小西真人、横山詩子
    • 学会等名
      第101回日本生理学会

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公開日: 2024-12-25  

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