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2022 年度 実績報告書

ミトコンドリア多様性の理解と臓器老化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K11525
研究機関地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)

研究代表者

藤田 泰典  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30515888)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード老化 / ミトコンドリア
研究実績の概要

老齢個体の臓器ではミトコンドリア機能異常が観察され、老化との関連性が報告されている。しかしながら、加齢に伴うミトコンドリア機能異常の詳細な分子機序や臓器老化との関連性は十分に理解されていない。これらを解明するには、臓器特異的なミトコンドリアタンパク質の変化を捉えることが重要である。本研究では、加齢に伴い臓器特異的に発現変化を示すミトコンドリアタンパク質を同定することを目的とした。細胞老化と関連するミトコンドリアタンパク質の同定に先んじて、細胞老化過程のミトコンドリアの形態・機能的変化を解析した。その結果、細胞の増殖速度が低下する移行期では、ミトコンドリアの形態変化は観察されるが、呼吸鎖障害や活性酸素種の増大は検出されなかった。一方、細胞老化後には、ミトコンドリアの異常形態に加え、呼吸鎖障害や活性酸素種の増加が認められた。したがって、呼吸鎖障害は細胞老化の早期プロセスに関与しない可能性が示唆された。次に、オミクス解析データから、細胞老化に伴い発現変化を示すミトコンドリアタンパク質を選抜し、若齢と老齢マウスの各種臓器においてそれらの発現変化を検証した。その結果、ミトコンドリアタンパク質Xは加齢に伴い腎臓特異的に発現変化を示すことが明らかとなった。さらに、ミトコンドリアタンパク質Xの遺伝子発現レベルは、老化マーカーであるp21の遺伝子発現レベルと強い負の相関関係を示した。従って、臓器老化に関係するp21陽性老化細胞とミトコンドリアタンパク質Xの関連性が推察された。今後、ミトコンドリアタンパク質Xの機能・役割、細胞老化との因果関係を明らかにすることで、臓器老化のメカニズムの一端を解明できるものと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Temporal changes in mitochondrial function and reactive oxygen species generation during the development of replicative senescence in human fibroblasts2022

    • 著者名/発表者名
      Yasunori Fujita, Masumi Iketani, Masafumi Ito, Ikuroh Ohsawa
    • 雑誌名

      Experimental Gerontology

      巻: 165 ページ: 111866

    • DOI

      10.1016/j.exger.2022.111866

    • 査読あり
  • [学会発表] ミトコンドリア翻訳阻害によるヒト胎児線維芽細胞の分裂寿命延伸2023

    • 著者名/発表者名
      藤田泰典、池谷真澄、伊藤雅史、大澤郁朗
    • 学会等名
      第21回日本ミトコンドリア学会年会
  • [学会発表] ヒト胎児線維芽細胞の分裂寿命に対するミトコンドリア呼吸鎖阻害の効果2022

    • 著者名/発表者名
      藤田泰典、池谷真澄、伊藤雅史、大澤郁朗
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] Doxycycline extends replicative lifespan in human fibroblast TIG-12022

    • 著者名/発表者名
      Yasunori Fujita, Masumi Iketani, Masasumi Ito, Ikuroh Ohsawa
    • 学会等名
      第45回日本基礎老化学会大会

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公開日: 2023-12-25  

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