本研究では活性酸素が脂肪細胞の分化に関わる転写因子であるC/EBPbのS-グルタチオン化を誘導し安定化させることにより肥満また脂肪合成を促進するという未解明の現象を分子レベルで詳細に解明することを目的として行った。 蛋白質S-グルタチオン化を増強させると脂肪合成が促進すること、脂肪細胞の分化に関わる転写因子であるC/EBPb はS-グルタチオン化されることを解明した。またC/EBPbはS-グルタチオン化されるとSUMO化および引き続くユビキチンプロテアソームに分解が抑制されることにより安定化することを発見した。C/EBPbの安定化にはCys201およびCys296両方のS-グルタチオン化が必要であることを解明した。また臨床検体を用いて、血中の脱グルタチオン化酵素であるGlrxを測定し、Glrx低値の群では有意差はつかないもの、BMIが高値であることが分かった。
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