本邦における慢性腎臓病症例は増加の一途をたどり、腎機能障害自体が認知機能障害の危険因子となるため、日常臨床では慢性腎臓病に認知機能障害を合併する症例の増加が問題となっている。本研究により、慢性腎臓病治療の柱の一つである適切な栄養管理を通したBMIに代表される体格の維持が、脳内酸素動態の維持とともに認知機能の維持・改善に働くことが明らかとなった。慢性腎臓病症例では、食塩およびたんぱく質の制限とともに適切なエネルギー摂取による体格の維持が認知機能障害の予防につながり、栄養指導の新たな重要性が示唆された。
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