研究課題/領域番号 |
20K11542
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
諏訪部 武 朝日大学, 歯学部, 准教授 (00610312)
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研究分担者 |
安尾 敏明 朝日大学, 歯学部, 講師 (30608469)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 味覚 / 口腔感覚 / 膝神経節 / 三叉神経節 / アンジオテンシンⅡ / レニン-アンジオテンシン系 / 味覚受容体 |
研究実績の概要 |
・膝神経節における栄養状態の感知と栄養状態に応じた味覚情報伝達の調節の仕組みを解明するため、単一の膝神経節細胞に体内のNa濃度またはグルコース濃度の受容機構とアンジオテンシンⅡ産生能が備わっていることを検証した。 ・ラットの膝神経節の薄切切片を用いて、アンジオテンシンⅡの前駆体(アンジオテンシノーゲン)とアンジオテンシンⅡを蛍光免疫組織化学法で可視化したところ、膝神経節細胞にアンジオテンシノーゲンとアンジオテンシンⅡが共発現していた。この結果は、膝神経節細胞にアンジオテンシンⅡ産生能が備わっていることを示唆する。 ・アンジオテンシンⅡと塩味受容体分子αENaCまたは甘味受容体分子T1R3を免疫組織化学法で可視化したところ、膝神経節細胞にアンジオテンシンⅡとこれらの味覚受容体分子が共発現していた。この結果は、膝神経節細胞に体内のNa濃度またはグルコース濃度の受容機構が備わっていることを示唆する。また、膝神経節細胞にアンジオテンシンⅡ産生能が備わっていることを示唆する結果と考え合わせると、膝神経節細胞のアンジオテンシンⅡ産生が体内のNa濃度やグルコース濃度に応じて調節される可能性を示している。 ・対照として、味覚ニューロンを含まない(口腔の触覚、痛覚、温度感覚のニューロンからなる)三叉神経節の薄切切片を用いて、αENaCまたはT1R3を免疫組織化学法で可視化したところ、三叉神経節細胞にもこれらの味覚受容体分子が発現していた。この結果は、味覚以外の口腔感覚のニューロンの活動も神経節の味覚受容体を介して体内のNa濃度やグルコース濃度に応じて調節される可能性を示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍における教育の変化に対応を余儀なくされたことで、一時的に研究のエフォートが低下したため。
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今後の研究の推進方策 |
研究内容は研究実施計画どおりで、研究推進のペースを上げて研究を行なっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗にやや遅れが生じたため。
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