研究課題/領域番号 |
20K11559
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
永井 成美 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60364098)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 時間栄養学 / 夜間・交替制勤務 / ガイドライン / 社員食堂 / 摂食試験 / 体内時計 / アプリ / 介入試験 |
研究実績の概要 |
わが国のインフラや都市機能は多くの夜間・交替制勤務者により支えられている。活動-休息リズムと体内時計のずれ、代謝への悪影響などから健康リスクが高い就業形態であり、時間栄養学的観点から健康リスク低減し得る「食事」のあり方を検討・提案することは多くの就労者にとって有益であると考えられる。本課題では、時間栄養学的観点から、夜間・交替制勤務者の食事改善を目指し、次の5つの研究を行なった。1) 24時間稼働の事業所の社員食堂において、喫食時間帯別に7000以上のメニュー出数を分析し、深夜に「高脂質・高甘味」のメニューや食品が選択されやすいことなどを見出した(栄養学雑誌 2022)。2) 国内外の夜間・交替制勤務者の食事ガイドや既報をレビューし、その内容と1の知見や日本人の生活様式を加味した「日本版食事ガイド素案」を作り公表した(時間栄養学研究の最前線 2022)。3) 2の内容から5枚のポスターを作成し事業所の食堂などで掲示(ポスターやサイネージ)できるようにした(研究室HPで公開、https://www.u-hyogo.ac.jp/shse/narumi/time_nutrition.html)、4) 深夜に好まれる「高脂質・高甘味食」と「バランス食」を試験食とした摂食試験を行い、高脂質・高甘味食摂取後には一時的な眠気の増加と一部の認知機能低下が起こることを見出した(2022年時間栄養学会優秀演題、国際誌へ投稿準備中)、5) A社の体内時計を整えるアプリ開発に関わり4週間のRCTを実施。女子大学生の日中の眠気軽減や学修効果、やせ改善に一定の効果が示された。以上の貴重な知見が得られた一方で、研究期間の3年間は新型コロナウイルス感染症のため協力事業所に外部者が入れない状況が続き、事業所食堂での介入研究が実施できず積み残しとなった(介入研究は、次の基盤研究C(R5-7年度)で実施する)。
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備考 |
(1)研究室で作成したホームページ(大学サーバー上)に、2022年3月に「時間栄養学」のページを追加。交替勤務(シフトワーク)・夜勤の方、夜遅く食べる 方への食事のアドバイス、朝食の整えかた・おすすめレシピを掲載したもので、随時、更新している。 (2)研究者と学生・院生で執筆した、時間栄養学(研究内容や成果も含む)に関する情報のページ。一般向けにわかりやすい記事とレシピを掲載している。
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