研究課題/領域番号 |
20K11561
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
藤巻 康一郎 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (50324570)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | うつ病予測モデル / 社会交流技能 / 診断閾値下抑うつ状態 |
研究実績の概要 |
うつ病患者では,その診断を満たす以前にも診断閾値下抑うつ状態(以下,閾値下抑うつ)が認められることから,このような「うつ病予備群」への早期対応が求められている。この状況において,閾値下の抑うつ気分をもつ成人健常者を早期に発見し,予防的介入を行うための生物学的診断指標を構築することを最終目標とする。具体的には,閾値下抑うつ関連指標として,精神作業,社会交流及び精神作業時前頭葉活動を経時的に測定し,うつ病評価尺度遷移との間で相互相関解析を行い,発症予測指標を構築することを最終目標として下記の課題1及び課題2の準備を進めている。 課題1】健常者において,ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を施行し,閾値下抑うつ群を抽出する。 課題2】閾値下抑うつ群と非閾値下抑うつ群間で,精神作業・社会交流レベル・精神作業課題施行中前頭皮質血流変化(以下,血流変化)測定の評価を行い,そのスコアに群間で有意差があるテストバッテリー・血流変化チャネル部位を抽出する。また,抽出されたテストバッテリーに加え血流変化測定およびうつ病評価尺度を3カ月毎に行い,そのスコア間の連動の有無を相互相関解析にて統計学的評価を行い,閾値下抑うつ評価に連動したテストバッテリー・ NIRSチャンネル部位を決定する(予測モデル1)。 評価に連動したテストバッテリー・ NIRSチャンネル部位を決定する(予測モデル1)。 課題3】閾値下抑うつ群で,精神作業・社会交流レベル・血流変化測定の評価を行う。その3カ月後および6カ月後にHAM-Dを施行し「抑うつ悪化群」と「抑うつ改善群」に分け,2群間で初期評価を比較し,有意差のあるテストバッテリー・NIRSチャンネル部位を抽出する(予測モデル2)。 上記課題1及び2の予備実験等を含め実験準備は進められており、実験物品等も用意された状況にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
課題1及び課題2の準備を進めている。 課題1】健常者において,ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を施行し,閾値下抑うつ群を抽出する。 課題2】閾値下抑うつ群と非閾値下抑うつ群間で,精神作業・社会交流レベル・精神作業課題施行中前頭皮質血流変化(以下,血流変化)測定の評価を行い,そのスコアに群間で有意差があるテストバッテリー・血流変化チャネル部位を抽出する。また,抽出されたテストバッテリーに加え血流変化測定およびうつ病評価尺度を3カ月毎に行い,そのスコア間の連動の有無を相互相関解析にて統計学的評価を行い,閾値下抑うつ評価に連動したテストバッテリー・ NIRSチャンネル部位を決定する(予測モデル1)。 上記課題において現段階では、研究参加者募集がコロナウィルス感染拡大防止(研究施設への外部者入構や学生登校制限等)の観点から困難な状況にある。そのため、研究物品や機器の準備は完了しているが、被験者に対する測定等は開始されていない。今後は感染状況レベルのステージを注視しながら実験開始時期を検討する。
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今後の研究の推進方策 |
実験は、コロナウィルス感染状況ステージを注視して開始されることになるが、研究参加者には、大学生や研究施設教職員以外の外部者を想定している。そのため、施設入構制限解除などに関連する感染状況ステージの改善等が得られた状況になり次第、実験開始ができるよう予備実験等を随時行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験は、コロナウィルス感染状況ステージを注視して開始されることになるが、研究参加者には、大学生や研究施設教職員以外の外部者を想定している。しかしながら、昨年度より施設入構制限等の状況が続いており、施設内での本実験開始に至っていない。現時点で予備実験等の段階におり、既存の備品使用に留まっている状況のため助成金が使用されない状態にある。
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