インスリンは膵β細胞から分泌される血糖降下ホルモンで、血糖値の恒常性維持に不可欠である。日本において、慢性的な高血糖を主徴とする2型糖尿病の大部分はインスリン分泌不全を成因としている。膵β細胞のミトコンドリアは血糖依存的にインスリンを分泌する上で重要な役割を果たしているが、糖尿病患者の膵β細胞では機能不全となったミトコンドリアが蓄積していることが報告されていた。本研究では膵β細胞特異的なマイトファジー(機能不全となったミトコンドリアを分解するオートファジー)を可視化するマウスを用い、ミトコンドリア品質管理の破綻が膵β細胞からのインスリン分泌不全の形成に重要であることを明らかにした。
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