ホスファチジルコリン(PC)には脂質代謝改善などの生理機能が報告されてきたが、近年PCとして摂取したコリンの一部が腸内細菌代謝を介して、生体内にて動脈硬化症の危険因子TMAOの産生に繋がることが報告された。PC摂取に本当にそのリスクがあるのか、コリン化合物の全てに血中TMAO濃度上昇のリスクがあるのか不明であった。そこで、PCを含む複数のコリン化合物を等モルで摂食させる実験を行ったところ、血漿TMAO濃度はグリセロホスホコリンや塩化コリンの摂取で上昇するのに対し、PC摂取は変動させなかった。また、PC摂取により有用菌の占有率増加を認め、コリン摂取形態としてPCの有用性を明確に示すことができた。
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