研究課題/領域番号 |
20K11593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
米井 嘉一 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (40191655)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アルツハイマー型認知症 / アミロイドβ(Aβ)貪食 / ミクログリア / 糖化ストレス / 睡眠の質 / メチルグリオキサール / アクロレイン / メラトニン |
研究成果の概要 |
本研究ではアルツハイマー病(AD)のリスク因子である糖化ストレスと「睡眠の質」低下とアミロイドβ(Aβ)クリアランスとの関連性について、健診受診者 69例の臨床研究では血漿Aβ40/42比を、実験では初代ミクログリア培養細胞のAβ貪食能を指標とした解析を行った。重回帰分析ではAβ40/42比を高める因子として動脈硬化と糖化ストレスが抽出され、「睡眠の質」低下者のAβ40/42比は他の群に比べ有意に高かった。Aβ貪食能はメラトニン添加により促進され、糖化Aβに対し著明に低下した。AD進展予防には糖化ストレス対策と「睡眠の質」向上によるAβクリアランスの恒常性維持が重要と推測された。
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自由記述の分野 |
抗加齢医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経回路の広範な破壊を伴うADについては、治療による機能回復が困難であるため、発症後の治療よりも発症・進展予防に重点を置いた方が、患者にとって社会的意義はより大きいと思われる。今回の研究結果より、「睡眠の質」低下と糖化ストレスがAβクリアランスを低下させる因子であることが示唆された。「睡眠の質」向上に伴い分泌が増加するメラトニンは終末糖化産物(AGEs)分解促進作用などの抗糖化ストレス作用を有する。ADの予防戦略については、「睡眠の質」改善と糖化ストレス対策を主軸に置いた、早期からの生活習慣改善によりAβの糖化予防とAβクリアランスの恒常性を維持する方向にパラダイムシフトすべきと考える。
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