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2023 年度 実施状況報告書

摂食ペプチドと免疫機構の連関の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K11610
研究機関鎌倉女子大学

研究代表者

影山 晴秋  鎌倉女子大学, 家政学部, 教授 (00433839)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード摂食調節ペプチド / 胸腺
研究実績の概要

ガラニン様ペプチド(GALP)は、摂食調節に関わる神経ペプチドである。ラットにおいてGALPは、視床下部弓状核に限局していることが明らかとなっている。また、GALPは血液中にも存在していることから、中枢神経のみならず末梢器官でもGALPを産生している可能性がある。当該研究では、リアルタイム PCR法を用いて、網羅的に末梢器官での発現を調べた。視床下部、下垂体に続いて胸腺でGALP mRNAの発現量が多かった。そこで、食と免疫機構との相互作用を調べる目的で、GALPがTリンパ球の成熟の場である胸腺に注目した。胸腺のガラニン様ペプチド(GALP)陽性細胞を同定するために、免疫二重染色をおこなった。用いた抗体は抗GALP抗体と通常型樹状細胞のマーカーであるCD205、胸腺髄質上皮細胞のマーカーであるAIRE-1、ハッサル小体のマーカーであるケラチンの4種類である。抗GALP抗体以外は抗原賦活化を行う必要があるが、抗GALP抗体は、抗原賦活化を行うと、非特異的な免疫反応が現れてしまい、同定ができなかった。いろいろな方法を試行錯誤した結果、適切な条件を見つけることができた。現在は、ペルオキシダーゼによるDAB基質とアルカリフォスファターゼによるBCIP/NBT基質で発色させた。現在は、蛍光二重免疫染色を行っている。さらに樹状細胞のマーカーとなるCD11cとの二重免疫染色を行い、細胞同定を行っている。また、本年度は結果を論文化するため、二重免疫染色の一番良い条件を検討している。
胸腺まわりの脂肪細胞にあるGALP免疫陽性細胞を観察すると、脂肪が多く蓄積されていない白色脂肪細胞で、GALP免疫陽性反応が多く見られたが、脂肪を多く含んだ成熟な白色脂肪細胞では、GALP免疫陽性反応はわずかしか認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

二重免疫染色を行うために抗体のホストの問題を解決しながらマーカーとなる抗体を見つけ出し、免疫染色を行った。マーカーとなる抗体は、免疫染色する前に抗原賦活化過程が必要となる。ところが、抗原賦活化した標本で抗GALP抗体で免疫染色すると、非特異的な反応が多く観察された。この相反する反応の問題を解決するのに時間がかかってしまい、全体の計画が大幅に遅れてしまった。

今後の研究の推進方策

今年度二重免疫染色によって得られた結果より、今後はGALPの末梢器官での分布と胸腺におけるGALP免疫陽性細胞の同定までを論文化して発表する予定である。また、論文化するにあたり、視覚的に有効な写真を撮影し、論文が年度内に受理できるように準備する。

次年度使用額が生じた理由

年度内までに投稿予定だった論文の英文チェックおよび論文投稿葉の費用が残ってしまったため。現在、英文チェックを行い論文投稿の準備を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Effect of Intracerebroventricular Administration of Galanin-Like Peptide on Hepatokines in C57BL/6?J Mice2024

    • 著者名/発表者名
      Hirako Satoshi、Wada Nobuhiro、Iizuka Yuzuru、Hirabayashi Takahiro、Kageyama Haruaki、Kim Hyounju、Kaibara Naoko、Yanagisawa Naoko、Takenoya Fumiko、Shioda Seiji
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Neuroscience

      巻: 74 ページ: -

    • DOI

      10.1007/s12031-024-02200-y

  • [学会発表] 神経ペプチドGALPによる末梢臓器の糖・脂質代謝への直接作用2023

    • 著者名/発表者名
      平子哲史、和田亘弘、影山晴秋、 竹ノ谷文子、塩田清二
    • 学会等名
      第77回日本栄養・食糧学会

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公開日: 2024-12-25  

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