研究課題
電子タバコ喫煙はタバコ葉抽出液 (Water Soluble Tobacco Extract:WSTE)を作成し、気管支内に噴霧し喫煙させた。WSTEはフィルター付き紙巻きタバコ(Research CIGARETTE 3R4F:ニコチン0.7mg,タール9.4mg) の1本分の乾燥タバコ葉に生理食塩水80mlを入れて抽出し調製した。日本スギ花粉(CJp)の成熟雄花から採集し600μg/25μl/匹の濃度に調製した。CJp とWSTEとのエアゾル噴霧は、噴霧器を用いてマウス気管支内に吸入させCJp、WSTE+CJp群とした。吸入後、気管支肺胞洗浄により、肺胞マクロファージ(AM)を採取した。AMの内部構造は、CJp群に比較してWSTE+CJp群で複雑化の増強と大型化が強く認められ、細胞内に空砲も認められた。また、CJp群で肺胞腔への好中球の増加が認められたが、WSTEにより減少した。IL-4 mRNA発現比率はCJp群に比較してWSTE+CJp群で増加が認められた。TGF-β mRNA発現は、CJp群に比較してWSTE+CJp群で有意な(p<0.05)増加が認められた。肺組織は、CJp群に比較してWSTE+CJp群で細気管支周辺と肺胞腔へのCJpの付着が、より多く認められ、CJp粒子周囲への好中球の浸潤も強く認められた。CJpによる炎症反応がWSTEにより増強された。WSTEにより細気管支内にCJp粒子の付着の増加、肺胞腔の消失と好中球の間質への浸潤による炎症性反応の増強が認められ、WSTEはCJpによる肺炎症を増悪した。電子タバコ喫煙がスギ花粉による好中球の肺への誘導、AMの形態変化と内部構造の複雑化を増強した。電子タバコ喫煙は、スギ花粉によるAMのIL-4、TGF-β産生を増加させ、Th2への分化を誘導し、好中球を間質に留め、アレルギー発症を促進させる可能性が示唆された。
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