研究課題/領域番号 |
20K11619
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研究機関 | 株式会社関西メディカルネット(関西電力医学研究所) |
研究代表者 |
桑田 仁司 株式会社関西メディカルネット(関西電力医学研究所), 糖尿病研究センター先端糖尿病研究部, 部長 (80771469)
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研究分担者 |
茂山 翔太 株式会社関西メディカルネット(関西電力医学研究所), 糖尿病研究センター糖尿病・内分泌研究部, 特別研究員 (70817212)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 消化吸収 / サルコペニア |
研究実績の概要 |
本邦では世界に比して、高齢化が驚くべき速度で進行し健康寿命の延伸、ひいては、医療費の削減を目的として活発に研究が進められている。栄養学からのアプローチとしては、良質の栄養を与えることで、筋肉量を維持し、フレイル、ADLの低下を防ぐことが期待される。 しかしながら、多数の疾患を持つことが多く、すでにある程度のADL低下が出現していることも多い高齢者に対して、どの程度栄養を投与すれば筋肉量が維持できるのか、あるいは改善できるのかエビデンスは乏しい。その理由が高齢者、特に何らかの疾患を持つ高齢者においてたんぱく質の消化吸収効率が正確に見積もれていないところにもあると考えその点を明らかとするための研究として着想した。 本研究ではマーカーを含むたんぱく質を経口投与し、消化吸収されずに排出されるたんぱく質の量を調べ、その差分として利用率を計算し、高齢者のたんぱく質の消化吸収率を計算し、そのデータを基として、必要なたんぱく質量を見積もることを最終目標としている。 その目標のために小目標①マーカーを含む食物の作成として、窒素安定同位体をランダムに含むダイズ種子を育成した。育成されたダイズを同位体質量分析で計測したところ消化吸収のマーカーとして働く15N濃度は15%程度が乳するとの結果を示し、最終目標の達成にために利用できると考えた。次に小目標②実験動物での検討として、モデル動物としてマウスに投与することとした。本年度はその実施可能性について検討を行い、ダイズを中心とした飼料投与のパイロット実験を行い、実施が可能であることを確認した。今後はマウスの便中、各組織中の安定同位体の量を調べ摂取量の最適化を行う予定である。小目標③の人の検討には小目標②の完遂後、取り組んでいく予定である。
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