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2022 年度 実施状況報告書

複合型高脂血症発症に関与する肝性リパーゼ活性・内因性リパーゼインヒビターの役割

研究課題

研究課題/領域番号 20K11621
研究機関金沢大学

研究代表者

稲津 明広  金沢大学, 保健学系, 教授 (80293348)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードリポ蛋白リパーゼ / 複合型高脂血症 / ANGPTL3 / ANGPTL4 / ANGPTL8 / APOA5 / VLDL / 内因性インヒビター
研究実績の概要

家族性複合型高脂血症 (Familial combined hyperlipidemia) は古く1973に報告されて以来,その成因は未だ不明である。本疾患はVLDL, LDLの2分画は変動して増加し、コレステロールとトリグリセリドの増加が単独または共存して増加することが同一患者で観察され,家族内に多発して異なる表現型の高脂血症や早発性動脈硬化性心疾患が発症する。この脂質異常は同時に高血圧症,肥満,インスリン抵抗性,脂肪肝を伴いやすい。少なくとも数個の遺伝子群が関与し環境因子のと複合による多因子性を有する症候群と考えられ,頻度は一般人の50~100名に一人と推定されており,原発性高脂血症としては最頻度である。
本研究で新たに糖尿病でない複合型高脂血症リストの作成に取り組み,10例を登録した.症例を蓄積した上で,血清ANGPTLを測定する。また,既報の一般人集団における血清脂質値とアンジオポエチン様蛋白 (ANGPTL)8遺伝子の多型Xの表現型を190例で検討し,その多型X低頻度アレルで高HDL低TG血症との関連性を認めた.さらに,ANGPTLの阻害作用を有するとされるアポA5のSNP解析を追加した.高TG血症に関与すると思われるLPL活性修飾因子として,APOA5, ANGPTL3,ANGPTL4,ANGPTL8の増加によるLPL活性変動の可能性をin vitroで検討した。それぞれのANGPTL群の組換え蛋白を大腸菌で培養・精製し,LPL活性への影響を検討した結果,ANGPTL8の野生型は十分なLPL活性阻害を示した一方で、ANGPTL8の多型X型やANGPTL3、ANGPTL4のLPL活性阻害は想定よりも弱いものだった。in vitroのANGPLT8多型のLPL活性抑制の減弱はは血中表現型(高HDL低TG血症)と一致した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アポA5精製が遅れているため。

今後の研究の推進方策

アポA5精製を行い,LPL活性に及ぼす影響をそれぞれのANGPTLと共存させる状況で比較検討する。

次年度使用額が生じた理由

APOA5の大腸菌組換え蛋白精製が遅れたため,その実験の消耗品に充てる。

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公開日: 2023-12-25  

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