研究課題/領域番号 |
20K11632
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
高垣 裕子 神奈川歯科大学, 歯学部, 特任教授 (60050689)
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研究分担者 |
平田 岳史 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10251612)
岩崎 香子 日本文理大学, 保健医療学部, 教授 (10360059)
河田 亮 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (30329198)
川股 亮太 神奈川歯科大学, 歯学部, 診療科教授 (40329199)
田中 佑樹 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (50824041)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 腎不全モデルラット / 2型糖尿病 / 身体不活動 / 歩行制限 / Wheel Running |
研究実績の概要 |
腎疾患が糖尿病を誘発することは意外に周知されていないが、特にPTDM(移植後糖尿病)の場合は移植後1年以内に3割近い患者に発症すると言われている。PTDM発症の危険因子の中で介入可能な要因としては、腎移植前からの肥満、運動不足、C型肝炎が挙げられ、移植後の要因としては体重増加が挙げられる:Pham P-TT, Pham P-MT, Pham SV, et al. New onset diabetes after transplantation (NODAT): an overview. Diabetes Metab Syndr Obes. 4: 175-186(2011)。即ち予防には生活習慣の改善が肝要なのだが、生活習慣の改善は実際には非常に難しい。我々はこれまでに肥満・体重増加を伴って徐々に糖尿病に移行するⅡ型糖尿病モデルのOLETF肥満ラットを用いて、自発的運動(Wheel Running) がそれらを抑制することを見出したので、本研究は、OLETFラットに部分的腎臓摘除術を施し、運動(Wheel Running)や身体不活動/運動不足(歩行制限ケージ内での飼育)が糖尿病の発症にどのような影響を与えるかを検討することを目的とした。しかしながら、顕著に腎不全の症状をもたらすレベルの腎摘ラットでは死亡率が高く長期に飼育するのが困難で、サプライ元の日本エスエルシーと議論を重ねてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
腎摘した腎不全モデル肥満OLETFラットは、摘除する度合に応じて腎不全の症状を呈するが、長期の生存率が低いか腎不全が不十分かのどちらかで、前者の場合血糖値の顕著な変化を示す以前に個体の脱落が顕著で有意な実験結果が得られない。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度の実験では、5週齢と6週齢の2段階で5/6腎摘処置したOLETFラットと野生型コントロールのLETOラットを7週齢で搬入し、1週間の馴化の後8週齢で実験を開始する。短期間で変化の見られていた血糖値・体重・血清アルブミンなどのパラメータに絞って測定を行い、死亡例が10%に至った時点で実験終了とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
短期の観察に切り替えて実験を行うためのOLETFラット購入費用として、1匹\6,500と腎摘処置費用(1匹\13,000)で1匹あたり\19,500必要となる。血液採取、測定時の実験補助者の謝金も計上する。
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