本研究では、実験動物および培養細胞を用いた評価を実施した。前者では、卵巣摘出群の夜間における自発運動量はsham群と比較し有意な低下が認められ、また8週間のラクトフェリン(LF)の投与により自発運動量の増加が認められた。また、前頭葉からのセロトニン遊離量が有意に変化しており、LFが低下した自発運動量を改善することが明らかとなった。後者では、培養神経細胞を用い、LFの添加で有意な神経突起伸長が認められた。また、トータルERKとリン酸化ERKの発現レベルはLFの添加から5分で最大となり10分まで持続し、各種阻害剤によって抑制されることが明らかとなった。
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