魚油に含まれるオメガ3系多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)は、血管機能改善作用と抗血小板作用により循環器機能を改善し、心臓細動(AF)などの不整脈予防効果を示すことが多くの研究により明らかになっているが、心筋細胞への直接作用や分子機序については不明な点が多い。本研究では、動物モデルと初代培養マウス心筋細胞を用いて、不整脈基質に対するEPAの短期、及び長期作用を検証し、EPAが心臓の電気活動を制御し心房細動や心不全の発症予防に寄与する可能性を明らかにした。本研究の成果は、科学的根拠に基づいたEPAの栄養機能性の理解とその利用の啓発につながることが期待される。
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