研究課題/領域番号 |
20K11644
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
内田 文彦 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70736008)
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研究分担者 |
鈴木 英雄 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00400672)
呉 世昶 アール医療専門職大学, リハビリテーション学部, 教授 (10789639)
岡田 浩介 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80757526)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 客員教授 (90241827)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | NAFLD / 肝線維化 / FAST score / 歯周病原菌種 / PISA |
研究実績の概要 |
NAFLDの進展に歯周病原菌であるPorphyromonas gingivalis ; P.g が関与することが報告されているが,NAFLDにおける肝線維化と歯周病重症度との関連や,P.g以外の歯周病原菌の関連については不明である.最終年度では,NAFLD患者の肝線維化,歯周病,歯周病原菌種を比較解析し,その関連を探索した.対象は2021年11月~2022年9月に筑波大学附属病院肝臓生活習慣病外来を受診したNAFLD患者127例(男性59例,女性68例)である.FibroScan-AST(FAST) scoreを算出し,肝線維化の進行度を低値群(low: 107例),高値群(high: 20例)に分類した.歯周病の病態は,一口腔単位で定量化が可能な歯周ポケット炎症面積(PISA; mm2,J Clin Periodontol. 2008)により評価し,歯周病原菌種は血清IgG抗体価を測定した.各項目について年齢,性別,歯数を調整して比較解析を行った.高値群では,FIB-4 Indexは高値で(low vs. high: 1.5 ± 1.1 vs. 3.0 ± 2.1 ),BMI≧30の高度肥満者が多く(low vs. high: BMI 27.7 ± 4.3 vs. 33.1 ± 7.1,腹囲cm 92.4 ± 11.0 vs. 105.4 ± 17.5,内臓脂肪面積cm2 125.3 ± 48.6 vs. 162.1 ± 66.3 ),血小板数(万/μL)が低下しており(low vs. high /μL: 23.5 ± 6.1 vs. 19.1 ± 7.6 ),インスリン抵抗性が高度であった(low vs. high: HOMA-IR 5.2 ± 5.8 vs. 10.0 ± 11.9). また,高値群では,PISAも高値であり歯周病の進行が認められ(low vs. high mm2: 90.8 ± 118.4 vs. 275.8 ± 348.8),歯周病原菌の一種であるAggregatibacter actinomycetemcomitans(A.a)の抗体価が高値であった .一方,P.gの抗体価は有意な差を認めなかった.FAST scoreによるNAFLDの肝炎症線維化と,PISAで示す歯周病の重症度,歯周病原菌A.aとの関連が示唆された.
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