研究課題/領域番号 |
20K11648
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
前田 美和子 大分大学, 医学部, 助教 (40569985)
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研究分担者 |
井原 健二 大分大学, 医学部, 教授 (80294932)
前田 知己 大分大学, 医学部, 准教授 (80264349)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 学童期生活習慣病検診 / 肥満 / 脂質異常症 |
研究実績の概要 |
少子高齢化する日本人の「健康寿命の延伸」に向けた小児期からの取り組みとして学童期生活習慣病検診がある.大分市では昭和54年から学童期生活病予防検診が開始され,平成4年から検診に血液検査を組み入れている.本研究の目的は約25年間の10歳児童の身体計測値と血液生化学データ(総コレステロール,HDLコレステロール,動脈硬化指数等)について,大分市の地域毎(都市部・都市近郊・山間部・沿岸部)の特徴を明らかにし、さらに成人期の生活習慣病の状況を学童検診のデータと照合し,地理的特性,産業構造,年次変化,予防対策の効果などについて総合的に評価することである. 令和4年度は, 10歳児童に認められる脂質異常の内訳を検討した.非肥満児の約10%に何らかの脂質異常が認められ,肥満傾向児の35%に何らかの脂質異常が認められた.脂質異常の年次推移は2000年前後がピークだった.また肥満度が高くなるほど高中性脂肪血症を含む複数の脂質異常を有する児の割合が増加した.肥満は脂質異常のリスク因子であり,肥満への早期の介入が重要と考える. 次に10歳児童の身体計測値と血液生化学データを行政地域ごとに解析し,25年間の推移を検討した. 身体計測値は25年間を通じて肥満傾向児が多い地域,肥満傾向児の少ない地域が認められた.肥満傾向児の多い地区は高中性脂肪血症、低HDL-C血症の児の割合が多い傾向がありそうで,今後地域の特徴を明らかにしていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は大分市における10歳児の脂質異常の内訳を検討し、学会で成果発表を行なった。大分市の地域ごとの健診データの特徴は明らかになりつつあるが、地域自体の特徴の検討はまだ行えていないため、研究としては遅れている。地域の特徴の検討項目の選択、評価方法の選択に難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
大分市の学童期の健診データの地域特性が明らかになってきたので,令和5年度は大分市の地域自体の特性を明らかにする.地域毎の人口動勢,産業比率,学校数や通学距離などを解析する予定である.検診データの特性と地域ごとの特性の情報を元に,学童期生活習慣病の予測パラメータを明らかにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度は大分県での学会開催であったため、予定より旅費の使用が少なかった。 令和5年度は地域の特徴を検討するために使用する、アプリ、パソコン、解析ソフトなどの購入に使用する。データ解析の外部への依頼も考えている。
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