研究課題/領域番号 |
20K11651
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
井原 勇人 和歌山県立医科大学, 共同利用施設, 准教授 (00223298)
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研究分担者 |
中田 正範 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10305120)
岸田 邦博 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (30412703)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ベージュ化 / PETイメージング法 / UCP-1 / 鼠径部皮下脂肪組織 |
研究実績の概要 |
サンショウ有効成分の生体イメージング法による同定 (1)サンショウ成分のどの分画にベージュ化促進作用があるかを同定するため、成分を70%エタノール抽出画分と水溶性残渣に分けて抗肥満効果があるかどうかを検討したところ、70%エタノール抽出画分に抗肥満効果があった。すなわち、水溶性画分には有効成分が存在しておらず、脂溶性成分が関与していることが示唆された。そこで、70%エタノール抽出画分をさらに分取型HPLCによって分画した。これを用いて、生体光イメージン法で検討することとした。 ジャクソンラボから購入したトランスジェニックマウスでは、UCP1/Luciferaseレポーター遺伝子がY染色体に存在しており、睾丸付近にNon-specific なシグナルが出ることが判明した。鼠径部皮下脂肪組織と睾丸付近が近いため、問題があるものと考えられた。一時的に保留とした。 (2)PETイメージングによって、鼠径部皮下脂肪のベージュ化が検出できるかどうかを検討することとした。ベージュ化した鼠径部皮下脂肪には、18FDGが取り込まれることが報告されている。サンショウ果実の粉砕物(3% w/w)を混餌して、4週間後、8週間後の鼠径部皮下脂肪組織への18FDGが取込みを検討した。サンショウ添加群において、有意に体重増加抑制が見られた。これらのマウスを用いて18FDGの鼠径部皮下脂肪への取り込みを検討したところ、山椒を添加していない群に比べ2~3倍の取り込み増加があった。撮像後これらの組織を取り出しガンマーカウンターで計測したところ、やはり3倍ほどの取り込み増加が見られた。組織自体も褐色調を示しており、ベージュ化を示唆するものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ジャクソンラボから導入したトランスジェニックマウスが、ベージュ化を検証する鼠径部皮下脂肪組織付近(おそらく睾丸)で発光するため、生体光イメージングでの検討がうまく進んでいない。その一方で、18FDGーPETイメージング解析により、ベージュ化が起こっていることを示すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
生体光イメージング法で上記の問題点を解決できない場合には、PETイメージング法で有効成分の同定を行うことも検討しなければならないと考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はコロナ禍の影響もあり、PCR関連物品(PCR試薬キット、PCRチューブ、PCR用チップなど)の購入が捗らなかったため、遺伝子発言解析が行えていない。このため次年度に繰り越しを行うこととした。
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