研究課題
共同研究先との、共同研究契約やコロナ感染拡大との関係から、PET画像解析による有効成分の同定は、ひとまず小休止となった。 発光イメージング解析で何か継続して探索できることがないかと考えた。サンショウの機能性成分を分画する過程において、サンショウの香り成分が除かれた分画では、抗肥満効果は示すものの熱産生タンパクUCP-1遺伝子発現誘導効果が、減弱している事実がわかった。このことは、サンショウ香気成分が嗅覚系を介してUCP-1遺伝子発現誘導に関わっていることを示している。そこで、サンショウの実から香気成分を水蒸気蒸留法で精製し、これをUCP-1/Luciferaseレポーター遺伝子導入マウスに吸引暴露させ、褐色脂肪組織において発現するUCP-1遺伝子発現をルシフェラーゼの発光シグナルを指標により評価する系で検討した。その結果以下のような実験結果を得た。1)褐色脂肪組織での発光イメージングシグナルは、アーチファクトなどは見られず、良好なシグナルを得ることができた。2)柑橘系に特有な香気成分リモネンによるUCP-1遺伝子発現誘導効果に加え、サンショウ特有の酢酸ゲラニル、ゲラニオールの香気成分の付加によりリモネン単独吸引暴露によるUCP-1遺伝子発現誘導効果より、約2.5倍の誘導効果があった。以上の結果から、サンショウ成分を直接経口摂取することによる抗肥満効果に加え、香気成分の吸引暴露による熱産生タンパクUCP-1遺伝子発現誘導効果があることがわかった。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
Stroke: Vascular and Interventional Neurology
巻: 2 ページ: e000362
10.1161/SVIN.122.000362
Physiology & Behavior
巻: 256 ページ: Article 113960
10.1016/j.physbeh.2022.113960.