研究課題/領域番号 |
20K11659
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研究機関 | 京都光華女子大学 |
研究代表者 |
岩中 伸壮 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (80584002)
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研究分担者 |
横川 拓海 京都大学, 農学研究科, 助教 (80844323)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | グロビン蛋白質 / シグナル伝達 / 運動 / 栄養 |
研究実績の概要 |
酸素と結合するグロビン蛋白質は、酸素代謝能力の向上や酸化ストレスの軽減に貢献すると考えられているが、その生合成シグナルについては未解明な部分も多い。本研究の目的はグロビン蛋白質の生合成メカニズムを明らかにし、生活習慣病予防に関わる知見を得ることである。 令和3年度は、ゼブラフィッシュを用いた運動評価実験系とin vitro実験系の構築を行った。ゼブラフィッシュへの運動負荷は種々の試行を行ったが、最終的にはデジタルマグネチックスターラーを用いてビーカー内に水流を起こし、遊泳させる方法によって運動を負荷した。運動負荷レベルは撹拌子の回転数により調整し、水流負荷運動の強度・運動時間を組み合わせて検討を行った。運動負荷によるミオグロビン発現量増加は定量PCR法を用いて評価を行ったが、安定性に不安が残る結果となったため、運動負荷方法の再検討やシグナル伝達経路の評価を行うなど、さらなる改善が必要である。また、ゼブラフィッシュへの薬剤や有機化合物の投与はマイクロマニピュレーターを用いた腹腔内への微量投与の検討を行った。in vitro実験系では単離した骨格筋をL-15培地にて培養し各種薬剤投与を行い、同じく定量PCR法を用いて評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の主な課題はゼブラフィッシュを用いた運動評価実験系やその他実験系の構築と評価であった。ゼブラフィッシュを用いて生理学的な実験を行った先行研究は少ないため、研究が順調に進展するか不安があったが、結果的には運動評価系の構築に要する期間は想定内に収まった。また、腹腔内薬剤投与や単離骨格筋のin vitro実験系の構築も順調であった。以上より本研究課題の進捗状況は概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
グロビンタンパク質発現シグナルに影響する食品因子の検証を行い、運動処方と栄養処方の相乗効果を評価する予定である。また、単離組織のin vitro実験系を発展させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、旅費等の支出を行わなかったため。また研究進展に要する研究用機器試薬の購入費用をうまく抑制できたため。
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