研究課題
大規模配位空間における最適化問題の研究として,2022年度は以下の研究を行った.(1) ロボットの動作計画は配位空間における典型的な最適化問題である.2次元の単純多角形を環境とし,ロボットが単位円で表される場合において,ロボットの再配置が必ず可能であるための距離制約としてもっとも厳しいものを発見した.研究成果を計算幾何のトップ会議であるSoCG 2022で発表した.(2) 社会選択理論に現れるアイテム交換問題を大規模配位空間における到達可能性問題としてモデル化し,その計算複雑性を解明し,特別な場合の多項式時間アルゴリズムを開発した.研究成果をマルチエージェントシステムの理論に関する国際会議PRIMA 2022で発表した.(3) 完全マッチング多面体上の最短路問題を考察し,一般の場合に計算困難であることを証明し,外平面的グラフに対して多項式時間で解くためのアルゴリズムを設計した.研究成果を離散数学のプレミア論文誌SIAM Journal on Discrete Mathematicsで発表した.
2: おおむね順調に進展している
研究計画に記した「大規模配位空間上での最短路問題」と「大規模配位空間上でのクラスタリング問題」に対する目標はほぼ達成できている.
現在投稿中の研究成果がいくつかある.次年度にはそれらを発表する予定である.
大規模配位空間における最適化問題に関して,フランスの研究グループ,ハンガリーの研究グループにより新しい展開があった.その調査のために時間を要し,研究計画に変更が生じた.今後の計画ではその展開も取り入れ,研究を進展させていく予定である.
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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