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2021 年度 実施状況報告書

準線形時間アルゴリズムの設計理論に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K11676
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

藤戸 敏弘  豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00271073)

研究分担者 藤原 洋志  信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (80434893)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード辺支配集合 / bマッチング / 次数制限除去問題 / power被覆
研究実績の概要

4辺支配集合問題に関する研究
b-辺支配集合問題は,辺支配集合問題を一般化した問題のひとつである.各辺eに必要支配数b_eが割り当てられた無向グラフGを入力とし, Gの任意の辺eをb_e回以上支配する辺集合の中で最小なものを計算する問題である.全てのeについてb_e=1である時に通常の辺支配集合問題と一致し,NP困難であるが2倍近似可能であることが知られてる.更に,どのeについてもb_eが3以下である場合も,やはり2倍近似可能であることが知られていたが,それ以外の場合は,b_eに上限がない場合と同じ8/3が現在知られている最良の近似保証となっている.本研究では,b_eが4以下の場合,即ち4辺支配集合問題に対し,b-辺支配集合とb-マッチングの関係を利用する主双対近似アルゴリズムを設計し,2倍近似可能であることを示した.
Power版次数制限除去問題に関する研究
グラフG=(V,E)から頂点集合Cを除去して得られるGの部分グラフをG-Cと表すとき,次数制限除去問題(BDD)では,入力グラフGに対し,G-Cの各頂点次数がb以下となるような最小のCを計算する問題である.本研究では,まず,BDDをPower版BDD(PBDD)へ拡張する.PBDDでは,Gの各辺{u,v}に2種類の重みw(u,v)とw(v,u)が付随しており,頂点uにw(u,v)以上のpower p(u)を割り当てる,もしくは,頂点vにw(v,u)以上のpower p(v)を割り当てることを,辺{u,v}削除の条件とし,辺削除後のグラフが次数制限を満たすようなpower和最小のpower割り当てを計算する問題である.BDDはPBDDの特殊なケースに相当することを容易に示すことができる.続いて,BDDに対して知られている最良の近似保証と同じ2+log bで,PBDDも近似可能であることを示す.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ計画通りに研究は進んでおり,結果もほぼ得られている.
但し,まだ最終版として十分にまとめきれておらず,成果発表にまで至っていないものがある.

今後の研究の推進方策

まずは昨年度の研究成果を早急に取りまとめ発表するとともに,それらを発展させつつ,
・数理計画法に基づく系統的設計法の開発
・近似アルゴリズムの基本技法や確率的ラウンディング法など,他の汎用テクニックの有効性についての検証
などのテーマにも取り組む.

次年度使用額が生じた理由

出張の自粛期間が長期に渡り,国内出張を始め,海外での情報収集・意見交換・成果発表などを殆ど行えず,当初予定していた本研究に係る出張の回数を大幅に減らさざるを得なかったことが理由の一つと考えられる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] On b-Matchings and b-Edge Dominating Sets: A 2-Approximation Algorithm for the 4-Edge Dominating Set Problem2021

    • 著者名/発表者名
      Fujito Toshihiro、Tatematsu Takumi
    • 雑誌名

      Lecture Notes in Computer Science

      巻: 12982 ページ: 65~79

    • DOI

      10.1007/978-3-030-92702-8_5

    • 査読あり
  • [学会発表] Power版次数制限除去問題の近似について2022

    • 著者名/発表者名
      迎 賢斗, 藤戸 敏弘
    • 学会等名
      電子情報通信学会コンピュテーション研究会

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公開日: 2022-12-28  

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