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2022 年度 実施状況報告書

凸最適化を用いた最適化モデリングの深化

研究課題

研究課題/領域番号 20K11696
研究機関九州大学

研究代表者

脇 隼人  九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 准教授 (00567597)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード交互射影法 / 厳密オーダ / 劣収束 / 一次収束 / 半代数的集合
研究実績の概要

二つの閉凸集合の交わりに属する点を求めるアルゴリズムである交互射影法に関する研究を行なった. 二つの閉凸集合が横断的に交わる場合は, 交互射影法は二つの集合の交わりに属するある点に一次収束し, 非横断的に交わっている場合には, 最悪の場合に劣収束する, ということが知られている. この研究では, 後者の劣収束に関して, (例えば, 劣収束のオーダーを)より詳しく調べた. 一方の集合が直線で, もう一方の集合が1つの凸多項式の不等式で書ける場合に, 最悪オーダーでよりも強い厳密オーダーで劣収束性を評価できることがわかった. また, もう一方の集合が複数の不等式で書ける場合は, 初期点の選択で収束のオーダが変わる(例えば, 一次収束と劣収束など)ことがわかった. これは, 2次元以上の線形部分空間でも起こることを明らかにした. なお, 幸運なことにこれらの結果は査読付き英文誌に掲載されることとなった.
より複雑な集合として, 半正定値錐と超平面の交わりに対する交互射影法の収束性も議論した. こちらはまだ論文にはなっていないが, 興味深い性質がいくつか明らかになった. 一方, 複雑な構造を持っているため, 半正定値錐よりも取り扱いやすい凸錐で議論するなど, いくつか新しい研究の方向性も見えてきた. ただし, 射影が複雑なため, 計算が難しくなっている. この困難を克服する必要があると考えている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

半正定値錐と超平面の交わりに対する交互射影法の収束性の議論や関連するアルゴリズムの収束性の議論について, ある程度の知見は得られているのだが, 射影の可能性が複数あるため議論が複雑になってしまっている. そのため, もう少し時間をかけて, 具体例の計算とそれらの結果から導かれれる数学的事実をまとめる必要がある.

今後の研究の推進方策

今後の方針がある程度定まっているので, 時間を確保してこの研究に取り組み, 論文としてまとめる予定である.

次年度使用額が生じた理由

研究遂行が遅れているため経費の執行も合わせて遅れている. 使用計画は, 学会参加や研究で利用する計算機の購入である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Exact convergence rates of alternating projections for nontransversal intersections2023

    • 著者名/発表者名
      Ochiai Hiroyuki、Sekiguchi Yoshiyuki、Waki Hayato
    • 雑誌名

      Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics

      巻: 41 ページ: 57~83

    • DOI

      10.1007/s13160-023-00584-9

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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