ノンパラメトリック関数推定の題材において、非負データの場合に起こりうる境界バイアスを回避する1つの策として、非対称カーネル法の研究に従事した。個別的な非対称カーネルではなく、カーネル族としての体系化を念頭に置いており、(i)単変量に留まらず、多変量データに適用可能な相関構造も考慮したカーネル族の提案、(ii)逐次的にデータが得られるような場合、計算面で有利な再帰的な非対称カーネル法の提案を含む。また、(iii)バイアス・サンプリングを考慮した推測問題、及び、(iv)密度推定に留まらず、関連した種々の関数推定問題の研究を開始しており、今後、これら方面からの展開が期待される。
|