研究実績の概要 |
1)パラメトリックモデルに真の分布が含まれない場合に、モデルの中で一番真の分布に近い分布(Information Projection)と、最尤推定量をパラメーターに代入して得られる予測分布(Estimative Distribution)の近さを、カルバックライブラーダイバージェンスを用いて測り、その期待値をリスクにしたとき、そのリスクの漸近的な挙動がどうなるかについて研究した。この研究に関して、学術雑誌に投稿したが、最終年度はレフリーとのやりとりをしながら改訂を繰り返し、最終的に以下の雑誌に受理された。 Sheena, Y. Convergence of estimative density: criterion for model complexity and sample size. Stat Papers 64, 117--137 (2023). https://doi.org/10.1007/s00362-022-01309-9
2)離散型パラメトリックモデルにおいて、何らかの事前の情報が得られている場合にその情報を利用することが、どの程度推定の効率性に寄与するかについて研究を行った。特に、事前情報が、セルの和の形で与えられる場合が実際のケースでは非常に多いので、この場合を特に研究した。学術雑誌に投稿したが、現在審査途中である。
3)何らかの未知の確率分布から生まれたサンプルを基にして、この確率分布に似た乱数発生機構(確率モデル)を作った際に、ここから生成されたサンプルと、元のサンプルがどの程度似ているかについての研究を行った。通常使われるノンパラメトリック検定ではなく、両サンプルからつくられる離散分布の近さをDivergenceで計測して、そのリスクを考えるという方法を考案した。現在、学術雑誌に投稿するための準備を行っている。
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