研究実績の概要 |
分類関数は, インターネット用ルータやパケット・フィルタ等の機能を数学的に表現したものである.申請者は分類関数を実現するためにインデックス生成回路 (IGU: Index Generation Unit)を考案した. 分類関数をハードウエアで実現した回路は大量のデータを高速分類可能である. 申請者は, 分類関数を複数のメモリやモジュール(IGU)に分解(分割)して実現する方法について研究を行った. 申請者が考案した, 線形分解では, 与えらた関数を線形回路と非線形回路に分解する。線形回路のコストは入力数nに比例する. 一方、非線形回路のコストは、入力数をpとすると、2^pに比例する。もとのデータがn変数で, サンプルの個数がkの場合, 線形回路を用いると変数の個数を2log_2 k 個以下に削減できる. 従って, kが2^nに比べて十分小さい場合, 与えられたn変数関数を, 線形回路と非線形回路に分解することにより, 全体の回路のコストを大幅に削減できる.今期は, 1. 分類関数の変数最小化のアルゴリズムを改良し, 入力数nが1000以上の場合にも実用時間内に解が得られるようなプログラムを開発した. このプログラムは, 分類関数を主としてメモリで実現する際に利用できる. 2. 分類関数が, データマイニングや手書き数字認識などの機械学習の分野にも応用可能であることをUCI (University of California Irvine) のベンチマーク関数に関して実験を行い, 確認した. 3.機械学習に応用する場合, 変数削減や3値論理式の簡単化により, 汎化性能(テスト精度)を改良できることを実験的に示した. 4. ランダムな分類関数に関して, 回路実現に必要なハードウエア量を推定する方法を開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19のために, 招聘を伴う共同研究が延期となった. また, 国内・国際会議のすべてが, オンライン会議となったため, 集中して共同研究を行うことが不可能となった.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19のために, 招聘を伴う共同研究が延期となった. また, 国内・国際会議のすべてが, オンライン会議となったため, 集中して共同研究を行うことが不可能となった. COVID-19による渡航制限が続く間は, ZOOMやE-MAILによる共同研究を行う. 渡航制限が解除されれば, 海外から研究者を招聘して共同研究を行う. 分類関数の変数最小化に関しては, 改良を続ける予定である. また、応用分野の開発は、引き続き行う予定である。
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