本研究成果の意義はソフトウェア工学の技術をマルウェア解析に適用する方法論を構築したことと,その有効性を検証したことである.ソフトウェア工学の技術のマルウェアへの適用は今まで途上段階にあった.本研究では,そのような技術をマルウェア解析でも有効に利用できることを示した.本研究で取り組んだ「問い」は,(1) ソフトウェア工学の技術をマルウェア解析に適用するにはどんな手法が必要か,(2) それらを適用したときの解析の精度と効率はどうなるか,であった.それらを明らかにする上で一定の成果を得た.本研究の学術的独自性と創造性は,マルウェアの挙動やファイルに関する例外的な事象や特徴を対象とする点にあった.
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